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日本ユニシス・エクセリューションズのエンジニアリング技術

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日本ユニシス・エクセリューションズのエンジニアリング技術

日本ユニシス・エクセリューションズのプロダクト全体説明

岩倉 啓修

日本ユニシス・エクセリューションズ(株)が提供するソリューションは主に三つの柱から構成されている。一つはエンジニアリング業界向けのCAD/CAMシステムであるCADmeister、もう一つはハウジング業界向けの三次元住宅設計CADシステムDigiD/住空間シミュレーションシステムAIREALMEISTER、残りの一つは製品や部品に含まれる化学物質を管理するグリーン調達マイスターである。 また上記以外に、ポリゴンをエンジニアリング分野で活用する研究や、ゲームソフトで利用されているUnityを活用する研究など、今後のビジネスの基となる研究も行っている。

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CAD/CAEシームレス化による簡易で高速なCAE機能開発

田鎖 利基

CAE機能をCAE専任者でなく設計者が利用できるようにするには、例えばマスプロパティコマンドを使って立体の体積を求めるような感覚で、CAEの存在を意識することなく、解析できる必要がある。つまり、CADコマンドと同じ操作性でレスポンス良く解析できること、結果をCADシステム上で確認できること、CADの曲面データに反映できることが求められる。このようなCAE機能を実現するため、CAEをCADの一部の機能として利用できるよう部品化し、さらに、CADとCAE間のデータ授受をファイル経由ではなくメモリ上で実施するようにして、簡易で高速なCAD/CAEシームレス型のCAE機能を開発した。開発した機能は2種類あり、一つはCADの曲面を変形するエンジンとしてCAEを利用する機能、もう一つはCADシステム上でCAEによるシミュレーションを行い、結果を確認できる機能である。

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わかりやすいNURBS解説

金井 仁志

CADで形状設計を行う際、製品の外郭や表面形状の表現には、直線・円・球面など解析的な式で表わされる図形だけでなく、自由曲線・自由曲面も用いられる。Bezier形式とNURBS形式は自由曲線・自由曲面の代表的な表現形式である。NURBS形式はBezier形式に比べて、煩雑な幾何的処理なしに曲率連続な形状を作成できる優れた性質をもっている。本稿ではNURBS形式で表現される図形の性質について、形状処理の専門知識がなくても分かるよう説明する。

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CADmeister表示フレームワークの高速化

高木 健

CADmeisterの表示フレームワークは製品形状である3次元図形や、寸法や注記などの製図情報である2次元図形を、CAD画面上に表示する基盤ソフトウエアである。図形の表示更新機能は、CADを使用した設計ではコマンド実行の都度動作する欠くことのできない機能である。このため表示更新のレスポンスが悪いと、操作者がCADシステムの応答性に大きな不満とストレスを抱くことになる。 近年のユーザ設計手法の主流がフルアセンブリ設計となったことで、CADmeister上でも大規模データを扱う機会が多くなっている。こうしたニーズに応じるべく、大規模データを扱う上での課題となるメモリ使用量の改善と画面更新速度の向上を図り、表示フレームワークの高速化を実現した。

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CADmeister ADK(アプリケーション開発キット)

大和田 義人

CAD/CAMシステムを利用する上で操作感や設計効率をより向上させて導入効果を高めるためには、顧客はシステムをカスタマイズして使用する。 2013年度にリリース予定のCADmeister ADKは、CADmeisterのカスタムアプリケーション開発を統合的にサポートするカスタマイズ用のツールキットである。CADmeister ADKの大きな特徴は、統合開発環境としてVisual Studioを使用できる点、開発プログラミング言語がVisual C++である点、高機能のアプリケーションが実現できる点、各種機能によって開発を容易にできる点である。 今後はCADmeister ADKによって、顧客のカスタマイズを容易に実現させると共に、サードパーティがアプリケーションを開発して顧客に提供することで、顧客は様々な種類のアプリケーションを使用できるようになる。

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生産効率アップに向けた搬送ライン解析の計画

武藤 高明

近年、フロントローディングの考え方が金型業界へ深く浸透する中で、設計データの品質向上による製造現場での工数の削減を目指して、ものづくりがCAEに依存する傾向にある。プレス金型業界では、主に製品パネルの成形性を確認する分野と、プレスラインの生産効率アップに向けた分野でCAEが必要とされている。前者は金型製造プロセスで確立された作業ステップとなっているが、後者は未だ業界全体に普及していない。CAEが金型の全製造工程に業務の一環として普及していくには、CAD設計者にとって簡易的な操作性が求められる。そこで、本稿では、日本ユニシス・エクセリューションズが計画している搬送ライン解析機能の概要と機能を紹介し、その有効性について述べる。

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設計プロセスの最適化に向けた生産技術支援機能の計画

関口 朗

製品設計者や生産技術者には設計期間の短縮や低コスト化が求められるため、生産性の検討に十分なリソースを割くことができない。また、生産の国外移転などのため、設計者を育成するのが難しい環境にある。その結果、製品データに生産要件の考慮が不足することがある。この問題に対応するために、生産要件の見込み手順を標準化し、スキルの高い技術者の作業フローやノウハウを可視化して、モデリング作業を自動化する機能を開発する。これが実現すれば、作業期間の短縮・コスト削減・品質向上が期待できる。本稿では、日本ユニシス・エクセリューションズが計画している設計の自動化ツールである「生産技術支援機能」の概要と有効性について述べる。

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BIMとしての住宅CADシステム“DigiD”

岩佐 大輔

BIMとは、建物のライフサイクル(見込客発掘〜提案・見積〜仕様確定〜詳細設計〜確認申請〜実行積算〜構造計算〜発注・着工・引渡〜アフター)において、一貫した情報を様々な形で再利用する建物モデルを指す。目的に合わせて一から成果物を作成するのに較べて、その有効性が支持されている。 「DigiD」は、その前身である「HCAD」を含め、約25年の歴史を持つ住宅設計CADシステムである。その中核となる住宅の建物モデルである「家モデル」は、商品コンセプトである「正確な3次元家モデルによる情報の一貫性」に基づき、住宅のライフサイクルにおいて情報を再利用してきた。このことは、家モデルがBIMとして機能してきたことを示す。また、家モデルは、行政が主導する「低炭素社会の実現に向けた住宅・建築物における取り組み」などの新たなシーンにおいて、ユーザに更なる価値をもたらす。

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住空間シミュレーションシステムにおける熱流体プログラム実装技術

吉田 学

住空間シミュレーションシステムでは屋内・屋外問わず、建物のあらゆる部分の意匠を正確に表現しリアルに具現化することができ、作り手と住まい手の相互理解を深め快適で楽しい生活シーンを演出できる。窓の換気による風の流れや、冷暖房器具による室内の温度変化は、窓や冷暖房器具の配置計画に必要な情報となり、意思決定をするために視覚的にわかりやすい表現が求められている。 本稿では、住空間シミュレーションシステムにおける風向シミュレーションを実装するに至った目的と実際に現場で利用することを踏まえた機能や要件に関する考察を、実現方法を交えて報告する。

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含有化学物質管理システム「グリーン調達マイスター」の紹介

川合 広明

2002年に採択されたヨハネスブルグ実施計画において、「化学物質の生産・使用が人の健康及び環境にもたらす著しい悪影響を、リスク評価の手続き、リスク管理の手続きを使って、2020年までに最小化することを目指す」ことが合意された。この状況に対応するため、製造業界では、含有化学物質管理が必要となってきており、日本ユニシス・エクセリューションズは、含有化学物質管理の業務機能の解決方法として「グリーン調達マイスター」の提供を2006年から開始した。 本稿では、含有化学物質管理システムとして持つべき基本機能と、その機能のグリーン調達マイスターでの実現方法を説明する。

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日本ユニシス・エクセリューションズのSaaSへの取り組み

藤本 泰士

日本ユニシス・エクセリューションズの主力ビジネスは、3次元CADを中心とした高機能なソフトウエアのライセンス販売である。そのソフトウエア提供形態は、高スペックな動作環境を要求するスタンドアローン指向のデスクトップアプリケーションである。一方、クラウドコンピューティングの普及により、インターネット経由でソフトウエアをサービスとして利用するSaaSの急速な発展とニーズの高まりから、ソフトウエア提供形態の変革が始まっている。日本ユニシス・エクセリューションズのSaaSビジネスへの取り組みは、現在の高機能なソフトウエアを、廉価なサービスとして異なるマーケットに提供することである。そのためには、WebアプリケーションではないソフトウエアをSaaS化するための技術的な課題の克服が必要である。2012年現在、3次元CADシステムとクライアントサーバシステムのアプリケーションを、従来の機能とユーザインタフェースを損なうことなくSaaSとして提供を始めている。本稿では、その製品開発の過程で培った技術を紹介する。

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ゲームエンジンの産業分野への適用 ─スマートデバイスに適したアプリケーション

紺野 正宏

スマートデバイスが一般に普及してきた2012年現在、ビジネス利用も急速に進んでおり、日本ユニシス・エクセリューションズでもスマートデバイスへのアプリケーション対応が求められている。スマートデバイスアプリケーションの開発は、様々な種類のデバイスへの対応という課題がある。この課題に対して、ゲームソフト開発ツールであるUnityのマルチプラットフォーム対応を解決策の一つとした。Unityの産業分野への適用として、スマートデバイス上での3Dアプリケーションを想定した。まず第1弾として、住宅向け設計CADであるDigiDのデータを利用したiPad用ウォークスルーアプリケーションの“RoomJumper”を開発した。本稿ではUnityを利用したスマートデバイスのビジネスモデルとスマートデバイスアプリケーション開発について報告する。

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ポリゴンエンジニアリングの実現に向けた理化学研究所との共同研究

谷本 茂樹

3次元計測装置で採取したデータを、エンジニアリングシステムで利用するニーズが急速に高まっている。しかし、計測データはポリゴンモデルとして扱われるのに対し、従来のエンジニアリングシステムでは曲面モデルが使われているため、計測データをエンジニアリングシステムで有効に使えないという問題がある。これを解決するために、ポリゴンモデルを中心に置き、計測とCAD/CAM/CAEを統合する新しいエンジニアリングシステムの開発を構想した。このシステムの実現に必要な要素技術を研究するために、理化学研究所と日本ユニシス・エクセリューションズは、「計測情報処理研究チーム」を理化学研究所内に設立し、「ポリゴン用図形処理」「断層画像処理」の共同研究を始めた。この研究と連携し、産業界の計測データ処理の課題を解決することを目的として、VCADシステム研究会に「ポリゴンエンジニアリング分科会」を発足させた。ポリゴンモデルを中心に置くエンジニアリングシステムが実現すれば、製造業の設計品質向上や工数削減が望めるとともに、医療などの分野の可能性を拓く新しい技術基盤を提供できるようになる。

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長田パッチの3次への拡張

清水 保弘

長田パッチは、理化学研究所のVCADプロジェクトの中で長田隆氏により創案された技術である。それは、三角形あるいは四角形から構成された多面体モデルの各面を頂点と頂点法線から滑らかに補間する2次多項式曲面式であり、局所補間性と簡便性というすぐれた特性を持っている。日本ユニシスと日本ユニシス・エクセリューションズでは、多面体モデルを用いたCAD曲面変形機能の開発に長田パッチ適用を試みた。その結果、期待効果が得られる反面、隣接頂点での法線が平行に近いとき形状が乱れる場合のあることがわかった。この課題をパッチ定義式の3次多項式への拡張と、それに伴って生ずる自由度を独自に導出した三角クーンズ曲面式を用いて決定することにより解決した。

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