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Technology Foresight

Technology Foresight テクノロジー視点から見る5~10年先の未来像

Technology Foresightとは

社会の変化やテクノロジーの進化は、現在の延長線上にない未来をもたらします。Technology Foresightは、ICTをはじめとするテクノロジーの視点で、5~10年先の未来像とその実現可能性を示します。

Technology Foresight 2024

テクノロジーが拓くリジェネラティブな未来

Technology Foresight 2024 コンセプトムービー 2分14秒

エグゼクティブサマリー

5~10年先、とりわけSDGsの節目となる2030年の未来社会とはどのようなものだろうか。

2030年時点でSDGsの諸目標は十分には達成されていないだろう。地球温暖化による異常気象や自然災害、生物多様性の喪失、世界的な食料・水・資源の不足、日本の少子高齢化や労働人口不足など、まだ多くの問題が解決されないまま残されている。一方で、問題解決への取組みや人々の行動変容は着実に進んでいる。カーボンプライシング(炭素排出への価格付け)や効率的なエネルギーマネジメントが本格化し、労働人口不足を補う業務の自動化も各界・各分野で推進されている。生活者においては脱炭素製品や再生品を念頭に置いた消費行動が習慣化し、人権やウェルビーイングといった考え方への意識も高まっているだろう。2030年はさまざまな問題を残しつつ、それらの解決に向けた多くの取組みが進行している、いわば「過渡期」の状態にあると考えられる。

このような諸問題は、現在の社会経済システムから生み出されたものである。だとすれば、従来の仕組みをそのまま残して対処療法的な取組みや規制を進める限り、山積する諸問題を本質的に解決することは難しい。そうした危機感を背景に加速しているのが社会経済システムの「再生」=リジェネレーションの動きである。さまざまな負の問題を解消するだけのネットゼロ社会を超え、新たな発想でプラスを生む再生型ネットポジティブ社会を目指し、リジェネレーションはすでに世界中で始動している。

リジェネレーションを推進するにはデジタル技術が欠かせない。デジタル技術はさまざまな価値の可視化を通して新たなつながりを生み出す。またその価値を社会に循環させることでさらなる価値の創出を可能にする。デジタル技術を活用して「リジェネレーションを適切にデザインする」という視点を持つことで、5~10年先の大きな分岐点に向けた再生型ネットポジティブ社会への変革が進展する。

『Technology Foresight 2024』は、以下の3章で構成される。

1章では、再生型ネットポジティブ社会の根幹を成す「三方良し(経済・社会・環境の好循環)」に触れ、それを実現するリジェネレーションとデジタル技術の役割を概説する。

2章では、リジェネレーションのキーテクノロジーとなるデジタルツイン、Web3、メタバース、生成AI、ロボティクス及びそれらの基盤となるトラストにフォーカスし、それぞれの進化の方向性や社会にもたらすインパクトを明らかにする。

3章では、共創、共生、成長、ガバナンスをキーワードに、どのようにリジェネレーションをデザインするかについて考える。最後にBIPROGYグループが取組むデジタルコモンズを例に、再生型ネットポジティブ社会の実現に向けたコラボレーションプラットフォームについて解説する。

地球温暖化の影響がかつてない頻度で顕在化している。社会全体の危機感が今後5~10年でさらに拡大していくことが予測される中、本誌が事業戦略・設計のヒントとなり、「持続可能な地球」や「再生型ネットポジティブ社会」に向けた共創のきっかけとなれば望外の喜びである。

1章 再生型ネットポジティブ社会とリジェネレーション

「リジェネレーションによる再生型ネットポジティブ社会」とは、目指すべき未来としての「持続可能な社会」を一歩進めた世界である。その社会像を共有したうえで、実現に向けたデジタル技術の役割について述べていく。

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2章 リジェネラティブな未来を拓くテクノロジー

デジタル技術は、空間の制約を超えて物事をつなぎ、そこに現れたデータから価値を引き出して循環させる。デジタルツインは複雑なシミュレーションを可能にし、メタバース等の仮想空間は新たなコミュニケーション体験を提供する。そうした個々のテクノロジーが信頼できる仕組みをベースに運用されることで、再生型ネットポジティブ社会に向けたリジェネレーションが加速する。スマートフォンがそうだったように、デジタル技術は社会や生態系を短期間のうちに、かつ根本から変えることができる。

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リジェネレーションを加速させるテクノロジー

3章 再生型ネットポジティブ社会に向けたリジェネレーション・デザイン

リジェネレーション・デザインに欠かせない四つの視点

再生型ネットポジティブ社会の実現に向けて、各企業・社会・個人がそれぞれのリジェネレーションを推し進めていく。それに先立ちリジェネレーションがどのようなメカニズムで機能するのかを整理しておくことは、個々の取組みをより適切にデザインするための助けになるだろう。そこで着目したいのが「共創」「共生」「成長」及び「ガバナンス」の視点である。

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四つの視点×デジタル技術のケイパビリティ

BIPROGYグループが推進するデジタルコモンズ

共創を育む場としてのデジタルコモンズ

BIPROGYグループが推進するデジタルコモンズは、有形・無形のアセットを可視化し、新たな価値を付加したうえで「共有財」として共同管理するコミュニティである。さまざまな参加者をつなぐオープンイノベーションの場でもあるデジタルコモンズは、リジェネレーションにおいては共創を育み、より良いデザインを描くための活動基盤となる。

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おわりに

本誌では、5~10年先の未来像として、再生型ネットポジティブ社会の実現に向けた経済・社会・環境のリジェネレーションを取り上げた。「共創・共生・成長とガバナンス」の視点にデジタル技術を効果的に掛け合わせることで、新たな価値の創出と循環が実現し、さまざまな「より良く」が生み出される。デジタルコモンズのような共有と共創によるオープンイノベーションの場を活用することも助けとなるだろう。多様な問題をはらむこれまでの社会経済システムは、さまざまなリジェネレーションの取組みが進められる過渡期を経て、「より良く」が持続的に創出されるネットポジティブ社会へ変革されていく。一人一人が輝く優れた共創が一つでも多く生まれることを願ってやまない。

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