流通ソリューション
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2014年3月発行 Vol.33 No.4 通巻119号流通ソリューション
技報119号は,流通業向けシステム開発に適用する導入型ソリューション CoreCenterシリーズの特集です。CoreCenterは,導入時にお客さまが必要な機能を選択し,パラメータを設定するだけのノンカスタマイズを前提とした導入型ソリューションです。個別の作り込みを極力なくすことにより,高品質・低コスト・短納期を実現します。 CoreCenterシリーズのインフラ基盤,実行基盤は,サービス指向アーキテクチャ(SOA)を採用した次世代統一AP基盤CoreCenter BASEで統一しています。シリーズを構成する各業種向けソリューションには,日本ユニシスが過去の導入経験の中で培った豊富な知見やノウハウをモデリングし,必要とする機能を全て,選択可能なコンポーネントで用意しました。本特集号では,CoreCenterの概要と基盤技術,小売り,DM,リース業向けのソリューションと導入事例を紹介しています。
顧客と共に成長する流通次世代ソリューションCoreCenter
日本ユニシス株式会社が提供するCoreCenterシリーズは,これまでの流通業におけるシステム開発経験を集約し次世代に向けたソリューションパッケージである。このパッケージでは,コンセプトである「顧客の期待に沿った品質(Q),コスト(C),納期(D)を実現しつつ変化(成長)に対応できるシステム」に対して,システム構造(SOA+コンポーネント指向アーキテクチャ)や導入方法論(CoreMethod)の中でさまざまな考慮を施し,その要求を実現している。これらの特徴は今後さらに進むと予測される「サービス相互利用」,「組み合わせ型」でのシステム構築においても最低限必要なシステム要件となってくる。
CoreCenterの採用技術
次世代流通ソリューションCoreCenterは,機能選択型の導入型ソリューションとして,顧客の変化に対応するパッケージを目指し開発した。高品質・短納期・低価格といったマーケット要求に応えるべく,コンポーネント化とSOAを志向し,様々な変化に柔軟に対応するためのパッケージの構造を定義するとともに,導入方法論も再定義している。本稿では,CoreCenterが採用したパッケージ構造の特徴と,導入方法論について解説する。
次世代統一AP基盤CoreCenter BASEの役割
CoreCenter BASEは流通業向けの各業務アプリケーションで利用されることを想定し,標準化や生産性/品質向上,開発工期の短縮の実現を目標として開発されたシステム基盤ソリューションである。システム基盤として実行基盤だけでなく,開発基盤としての役割を持ち,且つ流通業において広く使われるであろうユーザ管理などの業務支援機能を備えている。 今般,適用事例が増えると共に様々な機能要求も蓄積されてきており,更なる機能拡充を計画中である。
小売業向け次世代流通ソリューションCoreCenter for Retailの紹介
流通業界のシステム開発においては,消費者ニーズや法規制,流通構造の変化による,ビジネス変化のスピードに対応するため,短期間でのシステム導入が求められてきた。日本ユニシスではこうしたマーケットの要求に応えるべく,CoreCenter for Retailという導入型ソリューションをリリースした。各顧客別に必要な機能が選択可能な導入型ソリューションは,カスタムメイドのアドオンを前提とした従来のテンプレート型ソリューションより短期間でのシステム導入が可能となり,ビジネスの変化に対応することができる。 本稿では,チェーンストア形態のスーパーマーケットのニーズを考察し,それに対応するCoreCenter for Retailのコンセプトと機能を紹介する。
次世代通販ソリューションCoreCenter for DMの紹介
世の中のグローバル化はますます進み,業種業態を問わずビジネス環境の変化のスピードは加速している。システム導入の現場においてもスピードが求められおり,ITサービス会社は品質を損なうことなく市場の期待に応えていく必要がある。日本ユニシスグループでは市場の期待に応えるために適合導入型のソリューション導入を進めている。流通業向けソリューションとしてCoreCenterシリーズを拡充しており,通信販売事業向けソリューションのCoreCenter for DMを2014年1月にリリースした。 本稿ではCoreCenter for DMのリリースにあたり,ソリューションのコンセプト,主要機能および関連するビジネスへの展開について紹介する。
リース業向け次世代基幹システムLease Vision(CoreCenter for Lease)の紹介
日本ユニシス株式会社は,1981年から提供してきたリース業向け基幹業務パッケージを次世代基幹システム「Lease Vision(CoreCenter for Lease)」として刷新すべく,2012年より開発に着手した。これまでの導入実績や業務知識,リース業界を取り巻く背景より「リース標準機能の拡張」「開発・保守生産性の向上」「新技術の取り込み」を実現し,短期導入・構築負荷軽減が可能な「導入型ソリューション」を構築することをコンセプトにパッケージの開発を進めた。 「リース標準機能の拡張」では,適用時のカスタマイズ軽減やターゲットユーザの拡大を図るために必要な機能をパッケージ標準機能として取り込んでいる。コンセプトを実現するシステム基盤として次世代統一AP基盤CoreCenter BASE を採用することにより,検証済みのアーキテクチャ,ハードウェア,ソフトウェアをアプリケーションに適用することができ,「新技術の取り込み」を実現している。「開発・保守生産性の向上」では業務ロジックを共通化(コンポーネント化)することで,適用時の機能追加,機能修正,法改正に柔軟に対応できる設計を採用している。 これらのコンセプトの実現により,Lease Visionは初期導入時のカスタマイズを抑え,低コスト・短期間で導入できる「導入型ソリューション」として現行パッケージシステム以上の評価が得られることを期待している。
小売業A社へのCoreCenter for RetailおよびCoreMethod適用事例
システム開発においては,導入コストを抑えビジネスのスピードに対応できる短期間でのシステム導入が求められている。こうしたマーケットニーズに応えるため,日本ユニシスはパッケージ導入時のアドオン開発を最小限にすることを目的に,導入型ソリューションCoreCenter for Retailを開発した。2012年に小売業A社へCoreCenter for Retailとその導入方法論であるCoreMethodを利用して導入した結果,アドオン開発を最小限にとどめることができ,納期・コストの両面で効果があがった。