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作る技術・作らない技術

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「作らない技術」の選び方

瀬嵐 雅樹,真野 悟

国内企業のIT投資戦略は,戦略的に投資する競争領域と,企業活動を維持する機能を提供する非競争領域に大別される.さらに,競争領域は,顧客要求の変化に迅速に対応する攻めの領域と,企業活動のために差別化を図る守りの領域に分けられる.この三つの領域に,技術の観点として「効率的に作る技術」と「再利用する技術」を併せて整理することが,企業の目的とIT人材戦略に応じて技術を選択する時の指針として有効である.やみくもに最新技術を追うのではなく,技術を使える人材やコスト面も踏まえ,将来的にも主流であると考えられる技術を選択する「技術の目利き力」が重要である.

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PoCを早期に実現するための「作らない技術」実現例と課題

松浦 隼人,松原 真也

日本酒の輸出を支援するクロスボーダービジネスのJ's Marketplaceにて早急に概念実証(PoC)を開始するために「作らない技術」の考え方を用いた.「作らない技術」とは,「既存のSaaSの組み合わせ」および「ノーコードの利用」と定義する.J's Marketplaceの二つの機能に関して,それぞれの定義に基づいてPoC開発を実施した.その結果,4ヶ月という短い開発期間と,従来の開発手法では環境構築までに留まる程度の費用でサービスの実装からユーザーへの提供を実現した.

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社内業務への生成AI適用事例

杉山 義治

近年のAI技術の発展は目覚ましく,特に自然言語処理や画像処理技術を活用した生成AIは文章や画像などを作成できるため,業務の効率化や創造性の向上が期待されている.深層学習で有用性が認知されたことでAIの研究が盛んになり,遂には生成AIが誕生するに至るという技術的背景がある.生成AIは大量データからパターンを検出してモデルを作成する.このモデルへ新しい入力データを与えると過去のパターンを基に尤もらしいデータを新しく生成する.業務に適用する場合は,このような生成AIの特徴を把握して,利点や注意点も考慮した上で導入していくことが求められる.ユニアデックスでは生成AIを利用した概念実証用に複数のアプリ(Chat,RAG,CoT)を作成している.各アプリはChatGPTの特性を理解するのに役立つ.AIは,その高度な機能で生活やビジネスに大きな影響を与えるが,一方で多数の課題も存在する.そのため実証実験を重ねてから段階的に実用化していくことが望ましい.

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「作らない開発」とアジャイル

桝田 秀和

「作らない開発」は「再利用」「オーバーエンジニアリング防止」「自動化」を指すものである.ソフトウエア開発において「作らない開発」を推進することは生産性を向上させビジネス企画やその価値向上にリソースを集中させるために重要である.「モダン開発」と呼ばれるクラウド技術や開発ツールなど最新技術を取り入れることで生産性と品質の同時向上を達成できる.
モダン開発の主要要素として「アジャイルUX」という仮説検証型の開発方法論がある.反復的に価値を探索するスタイルを取り入れ,無駄なソフトウエアを作らないことが「作らない開発」において重要である.

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BaaSを活用した健康促進アプリActFitの開発

宮下 洋

Webサービスやモバイルアプリケーションにおいて,市場競争の激化,顧客ニーズの変化,アジャイル開発の浸透により,開発スピードの高速化が求められている.この要求に応えるため,BaaS(Backend as a Service)やmBaaS(mobile Backend as a Service)といったクラウドサービスが注目されている.これらのサービスが提供するバックエンドサービスを適切に活用することで,高速なアプリケーション開発が実現できる.BaaSを選定する際の評価点には提供機能,拡張性,スケーラビリティなどがある.それを基に選定したGoogle社のFirebaseを用いて,スマートフォンアプリ"ActFit"を開発した.アプリケーション開発におけるBaaSの有効活用には,ユーザー登録,データベースセキュリティとクエリ,バッチ処理などでBaaSの特性を考慮した設計と利用が決め手となる.

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勘定系システム "BankVision on Azure" の可用性/性能設計

潮崎 央

BankVisionは,ホスティングというサービス形態で,主に地方銀行向けに提供している当社のオープン勘定系システムである.サービス提供を開始した2007年以降も,BankVisionはその機能性を継続的に改善し進化させてきた.目覚ましい発展を遂げる情報技術,およびそれに伴うニーズの拡大や多様化に対応するかたちで,2021年にはパブリッククラウド(Microsoft Azure)上での稼働を実現した.それまでのBankVisionの設計をパブリッククラウドの仕様や制約に基づいて再設計することで,クラウドリフトにおける可用性や処理性能の問題を解決した.

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クラウドサービス環境におけるネットワークアーキテクチャの変遷

金子 卓也

BIPROGYグループのクラウドサービスであるU-Cloudは,2008年にサービス提供を開始してから15年が経過した.この間,使用機器のメーカ保守サポート終了(End Of Life)を契機に何度かネットワークアーキテクチャを見直しており,近年では,提供しているサービスが「成熟期」にあるため,サービス提供の安定性,継続性を最重要目的としメーカ保守サポートの終了を契機に基盤更改を行う方針としてきた.そして,サービスを提供するなかで利用顧客からの要求の実現やクラウドサービス継続のための機能の改善に向けて,単なるネットワーク機器の更改に留まらず大きな改造を重ねてきた.2022年にリングアーキテクチャからスパイン・リーフアーキテクチャへ改造する方針を決定し,2025年までに改造を完了させるべく,更改作業を進めている.U-Cloudのネットワーク基盤は,このような改造を積み重ねることで,より一層高品質で安定したサービスを提供するクラウドサービス基盤へと進化をし続けている.

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安全なハードウエア提供に向けたPL法対応の取り組み

品川 政寛

ユニアデックスでは,汎用コンピュータ(メインフレーム)の周辺機器開発を目的として,ハードウエア開発製造部門を有し,長年高品質なプリンタなどの開発,製造を行ってきた歴史と経験がある.現在は特殊端末やIoT関連製品などの産業用機器の開発,製造に範囲を広げている.製品の提供にあたっては,設計や製造のノウハウだけでなく,設計・評価品質ガイドラインによる評価や,リスクアセスメントによるリスク低減など,メーカーとして製造物責任を果たす取り組みを積み重ねてきた.また,これらの取り組みを製品ごとに記録として残すことで,設計ナレッジとするとともに,PL法に対応するための証跡としている.

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