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電力CIS – 電力小売 クラウドソリューションEnability® シリーズ

電力小売クラウドソリューションEnability(エナビリティ)シリーズは、BIPROGYが培った電力業界でのシステム構築ノウハウを集約したCISを始めとするクラウドサービスです。

スイッチング連携から顧客管理、料金計算、見える化まで電力小売ビジネスに必要な機能をワンストップで提供します。

2013年一括受電事業者向けの料金計算システムを皮切りに、2016年4月の電力会社自由化に合わせて小売電気事業者向けにサービス提供を開始しました。
2017年には高圧需要家向け機能を開発しており、2019年には卒FIT(固定価格買取制度)に対応した追加機能をリリースいたしました。
今後も、市場動向や国の政策・各種制度変更を踏まえて、機能拡張を進めてまいります。

新電力様向け電力CIS『Enability』動画でご紹介 1分26秒

小売電気事業者様向けクラウドソリューションのご紹介です。

Enabilityの操作画面やロードマップなど詳細にご紹介。視聴ご希望は下記バナーよりお申し込みください。

電力小売 クラウドソリューション『Enbility』シリーズ 紹介動画(詳細版)視聴のお申込み

Enabilityシリーズ ご紹介

Enabilityシリーズは、「Enability CIS」、「Enability Order」、「Enability Portal」で構成され、「申込受付」から、「スイッチング」、「料金計算」、「請求」、「電気使用量の見える化」まで、小売電気事業に必要な機能を網羅しています。
お客さまのご要件に応じて必要なサービスのみを導入する事が可能です。

Enabilityシリーズ サービス概要図

サービス概要

Enability CIS 契約情報管理、料金計算、請求情報作成

契約情報を管理する「契約情報管理」、電気料金計算を行う「料金計算」、請求情報の作成をする「請求」の3機能群で構成されています。
取次店/代理店販売のビジネスモデルを想定し、料金計算結果を取次店/代理店毎に実施し提供します。

Enability Order 契約申込、スイッチング連携、応対履歴の管理

「Enability CIS」および「Enability Portal」と連携し、「契約申込」、「スイッチング連携」、「応対履歴の管理」を行います。
PPS(※)、取次店/代理店の担当者がオーダー情報の登録、確認を行う事を想定しています。

※PPS:特定規模電気事業者(Power Producer and Supplier)の略。新電力とも呼ばれます。

Enability Portal 情報提供ポータルサービス

お客さまに対する情報提供サービスです。電気使用量情報の参照(電気使用量の見える化)の他、契約情報の変更申請受付、請求情報(および請求明細情報)の照会を行います。

Enabilityシリーズ 需要家数に応じた重量課金のクラウドサービス

電力CISの特長

ビジネスモデルに合わせた柔軟性

「直販」のみならず、「代理型」、「取次型」、「バランシンググループ」といった「B to B to C」の販売スキームに対応し、ビジネスモデルに合わせた個別対応を実施しています。

  • Enability Portal(情報提供ポータルサービス)は企業の顔となるシステムですので、自由にカスタマイズいただけます。
  • 取次店(複数社)のビジネスを支援する仕組みをPPS側で用意するためにEnabilityを活用することが可能となり、取次店は、小売電気事業参入における初期投資が抑えられ、既存システムの有効活用により需要家への請求収納を行うことで、PPSの業務負荷が軽減されます。
  • クラウドサービスでありながら、お客さまのニーズに合わせてカスタマイズが可能です。

業務負荷の軽減

少人数で大規模需要家に対応する仕組みを実装しています。

送配電事業者から受領する使用量データの不備を始め、料金計算・請求収納に起因するイレギュラー対応は、需要家が拡大していくにつれ運用負荷が大きくなってきます。
Enabilityシリーズでは、充実した自動チェック機能による誤請求や請求遅延の回避により業務負荷の軽減を実現しています。

送配電事業者から取得する電気使用量データには不備がある可能性があり、誤請求や請求遅延に繋がっています。
データの正当性確認や誤ったデータの補正、請求遅延への対応等、料金計算及び請求における業務負荷は大きいと考え、Enability CISでは、検針期間、前月データとの比較、等の各種チェックを自動で行う事で、誤っている可能性のあるデータを抽出し、誤請求回避はもとより担当者の業務負荷軽減を実現しています。

その他ソリューション

事例で簡単解説!

事例で簡単解説! 小売電気事業における事務トラブル予防のポイントとは?

2016年の電力自由化により解禁された小売電気事業ビジネスですが、いざ始めてみたら予想していなかったトラブルに遭遇して事業展開に支障を来している、という例が少なくありません。それは具体的にどのような事例で、解決するためのポイントはどこにあるのでしょうか?
3つの事例として、「誤請求の防止」「事務効率化」「商品設計の自由度向上」の3点についてEnabilityシリーズにより解決した事例を紹介します。

電気使用量データの重複の事例

コラム一覧

V2Xを電力に活用する事例や課題、需要拡大が見込まれる蓄電池や蓄電システム、ERAB(エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス)、ネガワット取引、RE100への加盟企業、容量市場、SDGsなどをご紹介します。

用語集

Enabilityシリーズ サービス

Enability CIS - 契約情報管理、料金計算、請求情報作成

Enability CISでは、契約情報を管理する「契約情報管理」、電気使用量料金計算を行う「料金計算」、請求情報の作成をする「請求」の3機能群で構成されています。
取次店/代理店販売のビジネスモデルを想定し、料金計算結果を取次店/代理店毎に実施し提供します。
送配電事業者から受領する電気使用量データの異常チェックや、訂正データ受領時の対応処理等、誤請求防止はもとより、イレギュラー処理の効率化による業務負荷軽減を実現します。

Enability CIS 機能概要図

Enability Order - 契約申込、スイッチング連携、応対履歴の管理

「Enability CIS」および「Enability Portal」と連携し、「契約申込」、「スイッチング連携」、「応対履歴の管理」を行います。
PPS、取次店/代理店の担当者がオーダー情報の登録、確認を行う事を想定しています。

以下の4つの機能より構成されます。

  1. 申込管理:お客さまからの契約申込(新規/変更)の管理
  2. スイッチング連携:スイッチング支援システムとのAPI連携
  3. 応対履歴管理:お客さまからの問合せを管理
  4. シミュレーション:送配電事業者から取得する過去データに基づき、シミュレーション実施
Enability Order システム概要図

Enability Portal - 情報提供ポータルサービス

お客さまに対する情報提供サービスです。電気使用量情報の参照(電気使用量の見える化)の他、契約情報の変更申請受付、請求情報(および請求明細情報)の照会を行います。

以下の4つの機能より構成されます。

  • お客さまポータル:Portalのユーザ(会員)情報を管理する機能
  • 契約情報管理:電気需給契約の登録、変更申請などを行なう機能
  • 請求情報照会:請求情報(および請求明細情報)の表示
  • 電気使用量見える化:時間毎/日毎/月毎での電気使用量の表示
Enability Portal機能概要図

サービス 主な機能

Enabilityがご提供する、サービスの主な機能と概要は以下のとおりです。

サービス名 主な機能 概 要
Enability CIS 契約情報管理 顧客情報、契約情報、支払情報、メータ設置場所情報、需要場所情報からなる5エンティティを活用し、顧客と契約の情報を柔軟に管理します。
料金計算 使用量データを取り込んで料金計算を実施します。三段階料金、季節別料金、時間帯別料金、休日祝日別料金を基本に、多様な料金メニューに対応し、定額/定率の割引設定や入転居に伴う日割計算などにも対応しています。
請求入金 クレジットカード払い、口座振替、コンビニ払い、請求書払い(振込み)に対応し、外部の決済代行サービスと連携して請求入金を行います。まとめ請求や合算請求にも対応しています。また、経理用の仕訳情報を記録・集計します。
Enability Order 申込管理
スイッチング連携
顧客からの契約申込を受け付け、スイッチングシステムとの連携を行います。手続き完了後、契約情報をEnability CISに登録します。
Enability Portal 需要家ポータル 顧客用のWEBポータルです。新規契約申込、契約内容変更、電力見える化、使用量・料金の照会機能を提供します。

卒FIT発電買取機能

2019年11月以降に予定されている卒FITへの対応として、Enabilityシリーズで太陽光余剰電力の買取機能をリリースいたしました。リリース機能は下記の通りです。

拡張項目 拡張機能 機能概要/作業概要 対象システム
申込受付 発電契約対応
(申込受付)
・需要家が直接Webより卒FITによる発電買取契約の新規申込登録・変更(契約変更、契約廃止)。 Enability Portal
・小売電気事業者が卒FITによる発電買取契約の新規申込登録・変更(契約変更、契約廃止)。
・スイッチング支援システムと連携します。
Enability Order
契約管理 発電契約対応
(契約管理)
・卒FITによる発電買取契約の契約管理。 Enability Order
Enability CIS
料金計算 発電契約対応
(料金計算)
・卒FITによる発電買取契約メニューに対応、料金計算。
・供給契約、発電買取契約との合算請求、複数月お纏め請求にも対応。
Enability CIS

Enabilityにおける太陽光余剰電力買取機能

  1. 契約申込
    通常の供給契約と同様、発電契約情報をEnability Orderに登録します。
     ※Enability Portalより需要家が直接登録する場合もあり。
    申込時の受電地点特定番号を基にスイッチング支援システムと連携し、処理が完了したものからEnability CISに登録します。
  2. 料金計算・請求・送金
    送配電事業者より取得いただいた発電電力量を基に発電契約の料金計算を行います。同一需要家が供給契約も結んでいる場合には、発電分と供給分をまとめて請求します。発電契約分の金額の方が多く請求額がマイナスになる場合には、指定された口座に振り込みを行うために決済代行会社に送金情報を連携します。供給契約分の金額の方が多くなる場合は通常通りの請求を行います。

※制度変更等により、機能が変更となる場合がございます。

Enabilityを用いた余剰電力買取機能の実現イメージ

供給契約・発電買取契約のまとめ請求

FIT買取期間が終了した需要家より電力を買取る際の料金計算・請求のデータ処理イメージです。
供給用メータの確定使用量での供給分の電気料金と発電用メータの発電量での発電分の買取額をそれぞれ計算し、纏めて請求します。請求額がマイナスになる場合には指定された口座に振り込みを行います。

Enabilityの供給契約・発電買取契約のまとめ請求イメージ

発電買取料金の支払いにおけるデジタルコード活用イメージ

FIT買取期間の終了に伴い、需要家から余剰電力を買い取る際、買取料金をデジタルコードにて支払うイメージです。
決済手段によって、支払い手数料が発生いたしますが、デジタルコードを利用することで、当該手数料が不要になります。小売電気事業者様独自で発行されるポイントとの交換含め、現在企画しております。
(利用できるデジタルコードにつきましては、お問い合わせください。)

発電買取料金の支払いにおけるデジタルコード活用イメージ

非化石価値取引業務支援機能

小売電気事業者は、自らが供給する電気の非化石電源比率を2030年までに44%以上とすることがエネルギー供給構造高度化法において求められています。
この目標達成を後押しするため、 2018年5月に非化石価値取引市場が開設されました。2019年度より卒FIT電源の電力量認定の開始、2020年度より卒FIT以外の非FIT電源電力量認定が開始されます。
非化石価値取引市場の開設に対し、Enability CISでは非化石価値取引業務に必要な各機能を提供していきます。
このたびは非FIT非化石電力量認定の際に必要となる設備IDの管理機能、及び電力量認定申請書の作成支援機能をリリースしました。

非化石価値取引業務支援機能 イメージ

非FIT非化石電力量認定の際に必要となる設備IDの管理機能、電力量認定申請書の作成支援機能は以下の通りです。

拡張機能 機能概要/作業概要 対象システム
非FIT非化石電力量認定
設備ID管理機能
電力量認定申請に必要となる設備IDの登録・参照が可能 Portal、Order、CIS
非FIT非化石電力量認定申請書
作成支援機能
・ファイル出力対象とする年月の範囲の絞り込み
・電力量申請に必要な情報(設備ID、確定発電量など)をCSVファイルに出力
CIS

電力量認定申請書の作成支援機能

本機能では非FIT非化石価値を認定する際に必要となる電力量認定申請書について、必要なデータの抽出/入力作業にてEnability CISを活用することで、小売電気事業者様の業務負荷軽減を実現します。
Enability CISで認定申請の対象年月を入力し、電力量認定に必要な情報が出力されたCSVファイルを申請書に反映させることで、電力量認定申請書を作成することができます。

電力量認定申請書 作成支援イメージ

事例で簡単解説!

小売電気事業における事務トラブル予防のポイントとは?

2016年の電力自由化により解禁された小売電気事業ビジネスですが、いざ始めてみたら予想していなかったトラブルに遭遇して事業展開に支障を来している、という例が少なくありません。それは具体的にどのような事例で、解決するためのポイントはどこにあるのでしょうか?
3つの事例として、「誤請求の防止」「事務効率化」「商品設計の自由度向上」の3点についてEnabilityシリーズにより解決した事例を紹介します。

小売電気事業を円滑に進めるための3つのポイントとは?

小売電気事業を円滑に進めるために考えなければならない3つのポイントとその具体的チェック項目例を図1にまとめました。

図1 小売電気事業を円滑に進めるための3つのポイントとは?

電力小売はインフラ事業であり、信用を維持することは欠かせません。そのためには電力供給だけでなく事務作業面でも確実さが要求されます。しかし現実には重大な誤請求トラブルがしばしば発生しています。その原因と対策について当記事では事例1として紹介します。

一方、事務コストの削減はどの業界においても不可欠な課題です。しかし顧客数が増えることは喜ばしいものの、それにつれて事務コストも直線的に増加しがちなことが多くの小売事業者の悩みとなっています。その原因と対策を事例2で取り上げます。

また、新規顧客を獲得するためには見込み客にとって魅力のある商品や販売力のある代理店を確保することが必要ですが、そのためには料金プランの最適化や販売代理店の登録などを柔軟に行えるシステムが欠かせません。この点について当記事では事例3により紹介します。

事例1 : 送配電事業者のシステム障害で誤請求が発生

小売電気事業者は顧客の電気使用量を直接把握することは出来ません。送配電事業者を通じて電気使用量データを受領し、それを元に自社の料金プランにより料金を計算して顧客に請求するというのが基本的な流れです。ところがその「電気使用量データ」がさまざまな理由で誤っていることがあり、それに気がつかないとお客様に誤った請求が出てしまいます。中には正規の電気代の80倍を請求してしまったケースもあるなど深刻な問題なのですが、元の使用量データに誤りがあることを想定していないシステムではこれを防ぐことは困難です。

こうしたトラブルの多くは送配電事業者(旧一般電気事業者)のシステム障害や人為ミスによるデータ異常が主な原因とされていますが、多くの需要家はそれを知らないため、誤請求の責任は小売電気事業者様にあると考えてしまいます。特に正規の何倍もの誤請求により「このような異常値にも気づかず請求してくるような会社は信用できない」と思われてしまうと信用を回復することは容易ではありません。
需要家の満足度を高めるためには、送配電事業者にシステム障害などのエラーがあることを前提に、受領するデータの異常を検出して実際に誤請求をしてしまう前に食い止められる体制が必要ですが、それはどうすれば可能なのでしょうか?

事例1 : 電気使用量データの重複

小売電気事業者A社が2016年6月に送配電事業者から受領した電気使用量データには、前月(5月)検針時と重複している期間がありました。この誤りに気付かなければ、重複期間分の電気使用量の過大請求が起きてしまいます。

Enability CISの異常チェックで重複期間を自動チェック&修正

電気使用量が前月と比べて大幅に増えていれば送配電事業者や小売電気事業者でもデータの誤りに気付きやすいですが、このケースのように重複期間が短いと目視チェックで異常に気付くのは容易ではありません。

事例1への対応

BIPROGYは電力小売管理システムに関する10年以上の経験を元に、このような異常を検出する機能を開発しEnabilityシリーズに搭載しています。A社はEnability CISの異常チェック機能を活用して、

  • わずかでも重複している期間を含んだ電気使用量データを洗い出し
  • 重複期間を省いて正しい使用量データとなるようデータを自動補正
  • その補正データを元に適正な料金を自動算出して請求処理に適用

という一連の処理を行いました。それまで人手を介していた確認作業の大半を自動化することができ、事務コストをかけずに誤請求を防止することが可能になりました。

Enability CISの異常チェックで重複期間を自動チェック&修正

送配電事業者でシステム障害が発生した場合、その影響は複数の電力小売事業者に共通して波及します。EnabilityシリーズにはBIPROGYの経験を元に起こりうるエラーへの検出・対応ロジックを組み込んでおり、またユーザー企業様には適切な対応手順をご案内可能なため、慣れない異常ケースについても確実な処理をすることが可能になります。

事例2 : 電気使用量・料金計算事務の省力化

事例1のようにデータの異常が一定のパターンで発生する明確なシステム障害に限らず、料金計算にあたっては他にもさまざまな理由でイレギュラーなケースが発生し、事務コストの押し上げや人為ミスを誘発する要因となるため、なんらかのシステム的な対応が必要です。

事例2 : 電気料金の訂正事務

小売電気事業者Bは、電気使用量データに基づいて料金を算出し需要家に請求しました。その後、送配電事業者からデータ訂正の通知が届いたため、既に請求した額との過不足を次回請求時に反映させる必要がありました。

このような処理を必要とするのはデータ訂正発生時に限らず、たとえば料金の決済でエラーが起きたとき、振込額に過不足があったときなども該当します。請求額の訂正自体が顧客からの信用を失いやすい行為ですので、その実務はミスの発生を防ぐよう細心の注意を払う必要があります。しかし、補正額の計算や入力等の処理を人手で行う限りある程度の人為ミス発生は避けられません。

事例2への対応

B社は訂正データ受領による請求額変更が必要な需要家をEnability CISの管理画面で一元管理できるようにしました。具体的には過大/過少請求による補正措置が必要な顧客の識別と補正額の計算までは自動で行いますが、実際に請求を行うかどうかは担当者の指示により決定することとし、その処理状況は一覧で素早く確認できるようにしたものです。これにより人為ミスが発生するリスクを最小限に押さえつつ、経営判断を反映させたきめ細かな対応を効率よく行うことができるようになりました。

もしこの処理をシステムではなく人手により行うと、異常データの抽出や比較、検証などを1件ずつ確認し手入力するという、非効率でミスの起こりやすい運用を強いられます。

送配電事業者による使用量データの不備をはじめ、料金計算・請求・収納に起因するイレギュラー対応にともなう運用負荷は、需要家が多くなるにつれて重くなります。Enability CISは、こうした課題を解決する各種機能を備えています(表参照)。送配電事業者から受領する使用量データを自動的にチェックし、重点的な対応が必要なデータをToDo画面に【警告】や【エラー】といった形で表示します。ToDo画面上で一元管理することで、運用負荷の軽減や誤請求の防止が見込めます。

Enability CISチェック項目(一例)

  1. 使用量連携チェック
    • 検針予定日から一定日数経過しても確定使用量が届かない
    • CIS上で保持している供給地点特定番号*1と一致するものが存在しない
    • 需給契約開始前および需給契約終了後、需給契約期間外の確定使用量が届いた
    • 契約期間から判定した算定期間と確定使用量で届いたデータの期間が異なる
  2. 確定使用量情報反映チェック
    • 料金計算済み確定済み契約に対して、訂正の確定使用量が届いた
    • 料金計算済み未確定の契約に対して、訂正の確定使用量が届いた
  3. 料金計算チェック
    • 強制警告を発生させた
    • 月額料金がマイナス

※1:「供給地点特定番号」は、電気のご使用場所を特定するために使用場所単位に設定されている22桁の番号です

事例3 : 商品設計の自由度向上により新規顧客獲得を推進

電力小売事業者の切り替えは需要家にとって手間のかかる手続きであり頻繁に行われることはないため、一度新規顧客を獲得すればその後は継続的に収益が見込めます。同様の性質を持つ携帯電話サービスでさまざまな名目の割引キャンペーンが行われるように、電力小売事業においても魅力のあるキャンペーンにより新規顧客の獲得を進めることは事業の成功をもたらす重要な要素と言えます。

事例3 : 特定顧客向け料金プランの設計

小売電力事業は既存事業により顧客ベースを持つ会社が参入するケースが多く、各社固有の既存顧客特性に応じた魅力ある商品設計ができれば大きな強みとなります。そこで、小売電力事業に新規参入したC社は利用者や市場調査の結果などを踏まえ、顧客ニーズに合致する新たな料金プランを企画。競合他社に先んじて新プランを展開するため、2週間以内に新プラン啓発用のキャンペーンを実施すべきと判断しました。

事例3への対応

Enability CISはクラウド型サービスですが料金計算ロジックを柔軟にカスタマイズできる構造となっており、最短3日で新料金メニューへの対応が可能です。C社もこれにより十分に余裕を持ってキャンペーンを開始することができました。

電力小売は取次店(販売代理店)を通じて行うケースが多いため、料金プランやキャンペーンおよび料金計算事務は取次店報酬も含めて設計する必要がありますが、Enabilityシリーズは当初から取次店スキームを想定した機能設計となっており、新しい取次店の追加についても低コスト・短納期で実現可能です。

電力業界における当社のシステム構築ノウハウの集大成

当社は、2016年4月の電力自由化以前から電気料金の計算についてのノウハウを蓄積してきました。その経験から生まれたのがこの「Enabilityシリーズ」です。

これまでご紹介してきたとおり、Enabilityシリーズは

  • 誤請求防止のためのチェック機能
  • イレギュラー処理のシステム化による業務負荷の軽減
  • 料金メニュー追加、取次店追加、機能追加などのカスタマイズが容易かつスピーデ

といった特長だけでなく、データ分析により設定した条件に合う需要家を抽出してキャンペーン管理ができるなどといった「拡張性」や、スムーズなスイッチングのサポート、複数の店舗・施設などを運営する法人需要家への一括対応が可能、高圧電力の料金計算へも対応予定など、他社システムにはない機能を多く搭載し、小売電気事業者様の円滑な事業運営をバックアップします。

トピックス

*Enability、PromoConcier、スマートユニサイトは、BIPROGY株式会社の商標または登録商標です。
*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。