ネットワークII
技報サイト内検索
2001年8月発行 Vol.21 No.2 通巻70号ネットワークII
巻頭言
特集「ネットワークII」の発刊によせて【PDF】(10.6 KB)
技術動向
IT最前線ネットワーク技術の動向【PDF】(20.8 KB)
新製品紹介
論文
- これからのネットワークインフラストラクチャを支える新技術
- 大規模ネットワークシステムにおけるシステム管理/ネットワーク管理の現状
- HMP IXシリーズにおけるオープンIT機能の実装 ─CORBA,MQシリーズ
- HMP NXシリーズにおけるセキュリティ機能の実装
- HMP IXシリーズのオープンネットワーク対応ストラテジ ─cpJOINTの開発経緯
- 企業におけるEビジネスのための次世代情報交換システム
- EAI技術が提供するネットワークソリューション
- 三洋電機自販機(株)における階層化ローカルエリアネットワークの設計事例
- WebTSによるレガシーアプリケーションのWebアプリケーション化検証
- インターネットを利用するECサイトのセキュリティと信頼性・可用性の実現方法
これからのネットワークインフラストラクチャを支える新技術
政府のIT戦略本部・IT戦略会議が2000年11月に策定した「IT国家戦略」の中で,通信インフラの整備を提唱したことなどから,FTTH,xDSL,などの安価な高速回線の普及が本格化し,定額料金で高速にインターネットにアクセスできる環境が整いつつある. 移動体通信では最大2Mbit/sの通信が可能なIMT—2000サービスも開始されようとしている.一方LANの技術としてIPv6やMPLSが本格的な普及の兆しをみせており,IPv6はIPアドレスの枯渇の劇的な対処策として期待されている.MPLSは電気通信事業者のIP—VPNサービスで広く活用されている. また,通信事業者のサービスにもLANでの使用に特化し,レイヤ2を切口とした安価で高速・広帯域のLAN間接続サービスが急速に普及しだしている. 本報告は,これらのインフラ系の基礎技術について紹介する.
大規模ネットワークシステムにおけるシステム管理/ネットワーク管理の現状
従来のネットワーク管理では,接続形態の構成図表示やイベントの表示,さらに性能値のグラフ表示やしきい値監視など,SNMP(Simple Network Management Protocol)ベースの管理を主たる対象要件としてきた.またシステム管理ではサーバの資源管理,ソフトウェア配布,ジョブ制御などの利用者要件に応えられる製品が広く普及してきた.しかし最近ではネットワーク環境や管理要件の変化から,管理範囲や管理情報の内容に変化が見られる.本稿では,特にSLA(Service Level Agreement)の視点からの基本管理機能,ポリシーネットワーキング,インターネット環境での管理などシステム管理とネットワーク管理の現況と今後の動向について述べる
HMP IXシリーズにおけるオープンIT機能の実装 ─CORBA,MQシリーズ
IT(情報技術)の発達により,電子商取引(EC)規模の拡大が始まっている.顧客満足度の向上と,収益率の向上を目的としてEビジネスを実現する企業が増えている.Eビジネスを実現するために企業の情報システムは進化しなければならない.それは企業内の情報システムの連携とインターネットへの対応である.本稿は,Eビジネスを実現するために必要な技術的な要素を解説する.さらにHMP IXシリーズに搭載されたIT技術であるCORBA製品とメッセージ連携製品を紹介する.
HMP NXシリーズにおけるセキュリティ機能の実装
インターネット時代と呼ばれて,世の中の隅々にまでインターネット環境が行き渡った状況の中で,コンピュータの利用形態として業務用,家庭用を問わずインターネットと無関係には成立し得ない時代になっている.同時に,セキュリティへの関心が専門家以外の世界にまで浸透していることは周知の状況である. このような環境下でコンピュータに求められるセキュリティ対策は多岐に渡り,各種の手法,技術が紹介されている. 本稿では,Unisysの代表的なメインフレームであるHMP NXシリーズに実装されているセキュリティ技術を紹介し,インターネット/イントラネット環境での対応状況について記述する.
HMP IXシリーズのオープンネットワーク対応ストラテジ ─cpJOINTの開発経緯
インターネットに代表されるネットワークの高速,大容量,多機能化はめざましいものがある.高度なネットワークの利用そのものがEビジネスの実践であり,これによってビジネス形態の変革をもたらし,さらにはわれわれの生活様式までも変えつつある.メインフレームは,ミッション・クリティカルな基幹業務での利用が中心であったが,オープン・ネットワーク対応を図ることでこれまでに蓄積されたシステム資産を最も有効に活用することのできるエンタープライズ・サーバとして再認識されつつある. 本稿では,HMP IXシリーズによるEビジネス実践のため策定されたネットワーク・モダナイゼーション方針を紹介し,次にこの方針に基づいて開発されたcpJOINTの特徴を解説する.
企業におけるEビジネスのための次世代情報交換システム
企業間のデータ交換に関する標準化は,商取引交換を前提に業界単位のEDIプロトコルの標準化がなされてきたが,オープンな商取引環境での多様なビジネスモデルとビジネスルールの存在を肯定し,その状況でのEDI実現を図る方向に移行しようとしている.またビジネス分野でのインターネットの利用拡大により,行政関係のIT推進にも見られるように,企業相互の業務効率向上を目的にしたペーパレス化による電子交換へと進み,企業を取り巻く情報の交換環境が大きく変化しようとしている. 今までの企業交換システムの多くが個々に構築され,このような環境変化に対し汎用性の欠如,重複投資,運用面の問題,外部との交換内容の監査問題などが表面化する事になり,これを解決するための汎用性と拡張性を備えた,外部との交換を統合するシステムが求められている. 以下に,商取引の安全性/確実性を重視する電子データ交換,また職務権限や企業認証を伴う交換,業務支援としての部門または担当者間の連絡などを対象にした,企業における次世代の多様な統合情報交換システムとしての主な機能要件について記述している. ・ユースケースに対応したトランスポートメソッドとメッセージパッケージング ・メッセージのハンドリングサービスとコンポーネント ・リポジトリとレジストリ利用 ・メッセージ経路を考慮したセキュリティ ・メッセージ内容に対する重要度とインスペクション
EAI技術が提供するネットワークソリューション
昨今,多くの企業が,厳しい競争を生き抜くため,アプリケーション・システムを統合する必要性に注目し,企業は統合の検討と構築に着手しはじめている. 昨年から,統合に関する話題として,EAI(Enterprise Application Integration,企業業務統合)が盛んに取り沙汰されている.EAIとは,統合対象に極力手を加えず,変更を最小限に抑えながらの統合を実現し,リスクの最小化とTime—To—Marketの迅速化を図ることを主眼とする製品である. 本稿では,EAIの調査研究活動を通して得た知識をもとに,統合の問題点と,EAIを利用して統合を実施する場合に役立つ知識について解説する. 最初に,EAI出現の背景となった従来の統合方法の問題点について説明する. 次にEAI製品の機能を紹介し,最後にEAIの適用分野について記述する.
三洋電機自販機(株)における階層化ローカルエリアネットワークの設計事例
本稿は,階層化構造によるローカルエリアネットワーク設計の概念と,Gigabit Ethernet,レイヤ2/3スイッチング,VLAN Tagging(IEEE802.1Q),スパニングツリープロトコル(IEEE802.1d),VRRP(Virtual Router Redundant Protocol)などのインターネット標準のネットワーク技術を採用して構築された“三洋電機自販機株式会社殿”(以下,三洋自販機と略す)の新ネットワークシステムの構築事例について記述したものである.
WebTSによるレガシーアプリケーションのWebアプリケーション化検証
Web技術を中心としたEビジネスシステムが増えてきている.従来から使用されているシステムで持っている大量のソフトウェアおよびデータを有効利用し,Eビジネス対応をおこなう必要がある. 本稿では,従来のシステムをEビジネス対応するための課題を整理し,検証モデルにより実証評価した結果をもとに,Eビジネスへの適用について論じる
インターネットを利用するECサイトのセキュリティと信頼性・可用性の実現方法
インターネットの利用者数は驚異的な勢いで増え続けており,インターネットを利用した新しいビジネスも確実に増加している.店舗の展開など実世界に比べB2Cの分野は新規参入が容易であることなどから市場には多くのシステムが出現している.インターネットを利用したB2Cのシステムでは信頼性・可用性及びセキュリティ対策はどのシステムにおいても共通に検討しなければならない課題である.ここではインターネットを利用したチケット販売代理店システムの事例の中から信頼性・可用性対策及びセキュリティ確保の方法を紹介している.