別冊技報
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2024年6月発行 Vol.44 No.1 通巻160号別冊技報
別冊技報は、BIPROGYグループ各社が力を入れているサービスやソリューションをピックアップし、通常の技報より平易に、またビジネスに役立つように解説する小冊子です。今回とりあげるのは、女性に特化した課題解決コミュニティ、国産木材の利活用拡大、正しいITインフラ投資の考え方、製造業のサステナブル調達です。
コミュニティビジネスによる社会課題解決 ――女性関連市場にコミュニティアプローチで挑戦するmarbleMeの紹介
marbleMeは、働く女性が抱える課題を解決へと導く、企業横断型(社外人脈)のコミュニティ事業である。心理的安全性の高い環境で、個別性の高い「あなたの課題」に特化し、プレゼンティーイズムと労働生産性の改善を目的として、同じ課題を抱える人同士での「対話」により「内発的気づき」を提供し、意識変容と行動変容を促していく。marbleMeが採用しているコミュニティアプローチは、女性特有の健康問題以外にも、キャリア意識や自分らしく働く事、男女賃金格差、多様性と包摂、平等と公平性など、最近注目されているテーマが有機的に連携される論理構造で、本質的な解決を目指すときに有効である。
キイノクスプロジェクトが目指す国産材利活用の将来像
2021年度からスタートしたキイノクスプロジェクトは、国産材の流通を活性化することを目標に活動しており、2023年度に入りオフィスの木質化を中心とした内装材の利用に拡がりを見せている。またこの活動は、植樹活動など環境への取り組みや障がい者の就労支援・従業員の働き方改革に繋がる点など、社会的な貢献も果たしている。一方でサプライチェーンにおいては、広葉樹の調達が難しいことや採取される場所や木の種類により価格の格差があること等、課題も明らかになった。今後キイノクスプロジェクトはこれらの課題を解決し、国産材の利活用を拡大することを目指す。
ITインフラ成熟度診断で実現する効果的なITインフラ投資計画 ――VUCA時代を生き抜くためのバックキャスト思考に基づいたIT計画立案
投資効果の高いシステム投資を実現するためにはバックキャストの考え方を活用した投資計画立案のプロセスが不可欠である。この考え方は広く理解されているものの、多くの企業は情報システム部門の各担当者が把握している課題を中心に、改善を積み上げるだけのインフラ投資計画を余儀なくされている。この状況には、大きく二つの課題がある。一つ目は、企業の情報システム部門において、ITの全体像を把握できる人材が不足しており、自社の現状把握が困難となっていること。二つ目は、ITインフラの適切な整備レベルを定める一般的な尺度が存在しておらず、多くの企業が目標とするレベルの設定に苦慮していることである。これらの課題を解決する手段として、ユニアデックスは、当社の強みであるITインフラ領域のネットワークとセキュリティーの知見を基に成熟度の尺度(成熟度モデル)を開発し、それを用いた「ITインフラ成熟度診断」を2020年より提供している。ITインフラ成熟度診断を用いることで迅速かつ簡易に現状と改善目標を定量的に把握し、次の一手を見出すことができるようになる。
持続可能なサプライヤー管理とデジタルトランスフォーメーション ――社会貢献のために購買・調達部門ができること
企業としてSDGsに取り組み、ESG経営を標榜することが当たり前になった昨今、調達・購買部門もサステナブル調達を求められるようになった。BIPROGYの調達ソリューション「eBuyerBrains」は、製造業の調達・購買部門が持続可能なサプライチェーンを実現するために、法令遵守/人権/環境を含めたサプライヤー評価のデジタル化、カーボンニュートラルを目指す「サプライチェーン排出量の算出」、そして安定的な調達を継続する「調達品ごとのサプライチェーン情報管理」を提供している。「eBuyerBrains」は、業務効率化するだけのデジタル化で終わらず、その先のデジタルトランスフォーメーションの実現を支援する。