別冊技報
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2023年6月発行 Vol.43 No.1 通巻156号別冊技報
別冊技報は、BIPROGYグループ各社が力を入れているサービスやソリューションをピックアップし、通常の技報より平易に、またビジネスに役立つように解説する小冊子です。今回とりあげるのは、イノベーションを促進するカード型称賛アプリケーション、ゼロトラストを実現するアクセス制御と可視化、リース業界向けDX推進ソリューション、カーボンニュートラル経営です。
称賛と感謝で強い組織を作る ――PRAISE CARDで個人・組織の変革を促進する
BIPROGY株式会社は株式会社博報堂、株式会社博報堂コンサルティングと共同で、知的創造社会をデザインする“共同脳”プロジェクトを開始し、他者とのつながりの中で自分らしさに気づくことで組織エンゲージメントを強化するメソッドと、自己理解と組織の共通価値観の浸透を促すカード型称賛アプリケーション「PRAISE CARD」を開発した。「PRAISE CARD」は、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した成功循環モデルを活用しており、成果を生み出し続ける強い組織づくりを後押しすると共に、企業を横断して社会基盤として機能することを目指している。 日々、称賛カードを贈り、受け取るトランザクション・データは、その統計情報が個人や組織の嘘偽りの無い特性を表し、ブロックチェーンで保管することで信頼性の高い情報資産となる。組織は従来リアルタイムで把握できなかったエンゲージメントの一部として活用でき、企業は人的資本として組織の特性を定量的に示せるようになる。個人も気づかなかった個性を理解して自信を付けたり、自分らしさを前面に出したセルフブランディングも期待できる。 これらの知見を活かし個人ひとり一人が自分らしく活躍できる場を社会全体で作れることを望んでいる。
ゼロトラストで見落とされがちなアクセス制御と可視化
昨今、サイバー攻撃の高度化により重大な被害に遭う企業・団体が増加している。クラウドサービスの利用とテレワークの増加により、「安全な社内」と「危険な社外」を分ける境界型セキュリティーでは対応が困難になっている。そこで「全てを信用しない」を前提にした「ゼロトラスト」がセキュリティー対策のトレンドになっている。しかし、ゼロトラストを実現するための対策で見落とされがちな項目がある。それらを補う施策であるアクセス制御と攻撃の可視化については、現状と目標レベルのギャップを明確化し優先順位を持って実施しなければならない。対策は複数のソリューションの組み合わせ、すなわちアクセス制御を行う次世代リモートアクセスソリューションのZTNAと、ログを管理し攻撃を可視化するSIEM/EDR/SOAR/XDRが有効である。ユニアデックスはセキュリティー成熟度診断と統合クラウドセキュリティーソリューション「CloudPas」を提供して顧客のゼロトラスト対策を支援している。
BIPROGYリースソリューションの将来展望 ――リース会社のDXとリース業界のDX推進に向けて
BIPROGYは1981年から、リース業務パッケージソリューションを中心に、リース業界におけるリース業務の社内業務領域に対するサービスを提供しており、100社を超える顧客での採用実績を有している。 リース業界は大きな変革時期に至っており、市場の変化に対して柔軟に対応していくことがサービス提供ベンダーとしても重要となってきている。このため、数年前から基幹システムの業務範囲に限らず、リース会社のDX推進を検討し、サービスの提供を進めている。BIPROGYはリース業界とともに、企業DX・社会DXの推進、社会課題へのアプローチを推進していく。
実践カーボンニュートラル経営 ――脱炭素経営の実現に向けた進め方と非化石証書の活用
カーボンニュートラル経営の実現に向けて、温室効果ガス排出量の削減方法については、「省エネ」、「電源の脱炭素化や燃料転換」、「非電力部門の電化」が挙げられる。このうち、電源の脱炭素化に寄与する再生可能エネルギー電力の調達には主に四つの方法があり、その中には、環境価値を顕在化して取引できるようにした非化石証書を活用した方法も含まれる。 BIPROGY株式会社は、経済産業省資源エネルギー庁の委託を受けて、非化石電源の認定業務や非化石証書のトラッキング業務を実施してきた。これに加えて、非化石証書の利便性を上げるための活動を推進しており、サービスの提供を通じて非化石証書の購入量や購入者数の増加につなげていく。最終的には社会に対して「電源の脱炭素化を軸としたカーボンニュートラル経営の実現」という価値を作り上げていきたい。