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研究活動 For Industry

現実世界(リアル)と仮想世界(バーチャル)が複雑に関連するIoT/CPS環境、および現実世界の物体を仮想空間上で再現するデジタルツイン環境。これらは、現実世界の多様なデータをセンサーネットワークなどで収集し、サイバー空間で定量的に分析し、その結果を現実世界へフィードバックすることで、現実世界におけるわたしたちの活動をサポートし、新たな付加価値を提供します。
IoT/CPSやデジタルツインの技術はますます活用範囲が拡大し、製造業への適用だけでなくわたしたちの生活にも深く浸透してきています。しかし、実際の暮らしの中への適用にあたっては、わたしたちの生活を豊かにするためのリアルとバーチャルをつなぐ技術や、総合的な安全性を担保する技術が必要です。デジタルの力で安全・安心なより良い生活ができるようになること、それを支えるテクノロジーの実現を目指した研究に取り組んでいます。

研究活動

安全・安心なIoT/CPS への取り組み

IoT/CPS(Cyber-Physical System)は、自動運転やスマートホームなど、実世界からさまざまな情報(他車状況、室温など)を収集・分析し、その結果を基に実世界の活動を支援(加減速、室温調整など)します。それは、さまざまな機器、ソフトウェア、人などのコンポーネントが複雑につながる新しいシステムです。そのため、意図的か否かにかかわらず、コンポーネントの不適切な相互作用の振る舞いによって想定外のリスクが発生し、システムをとりまく実世界(人、機器、社会インフラなど)への物理的な影響や、サービスの中断・停止による経営への影響があり得ます。そこで、事前に未知のリスクの導出が期待できる安全分析手法STAMP/STPAの適用と、システムの振る舞いを漏れなく捉えるモデル検査を用いた品質検証の研究を行い、IoT/CPSの安全性の向上を目指します。

IoT/CPS 概念図
安全・安心なIoTサービスの提供 概念図

「全社的リスク管理と STAMP/STPA による IoT サービスの安全性確保」SQuBOK Review,Vol.6 (2021) PDF

「CPS のサイバーセキュリティに求められる安全分析と STPA-Sec の有効性」 ユニシス技報,通巻149号 (2021)別ウィンドウで開く

「Verification of CPS Based on Control Loop Using Model Checking」25th Asia-Pacific Software Engineering Conference,pp. 678-682 (2018)別ウィンドウで開く

デジタルツインへの取り組み

現実世界の物体を仮想空間上で再現したデジタルツインは、その仮想空間上でシミュレーションすることにより、現実世界で実際に試行することなく結果を予測し、より良い仕組みに向けて試行錯誤することができます。たとえば、太陽光線が構造物の劣化、植物の育成、人類の健康などの社会課題に密接に関係することに着目し、任意の地点・日時・照射方向などに応じた太陽光線の強度や積算値をシミュレーションすることで、社会課題の解決に寄与することが可能です。また、仮想空間上の操作や処理を現実世界にフィードバックすることで、遠隔地からの操作や処理の自動化がより容易になります。本研究所では、長年のCAD/CAM開発で培ったノウハウや機械学習/人工知能技術を活用し、現実世界の環境とそこに存在する物体の認識技術、仮想空間への高精度な複製と自動整形加工技術、仮想空間から現実世界へのフィードバック技術など、“リアルとバーチャルをつなぐ仕組み”を研究しています。

ビデオ映像内対象物体の三次元トラッキングシステム
天空光源シミュレーション

「マルチモーダル空間認識技術」ユニシス技報, 通巻145号(2020)別ウィンドウで開く

「実環境3Dデータ処理の実現に向けて」ユニシス技報,通巻125号(2015) 別ウィンドウで開く

「ビデオ映像内対象物体の三次元トラッキングシステム」 ユニシス技報,通巻122号 (2014)

天空光源シミュレーション

「天空光源シミュレーション」ユニシス技報,通巻145号(2020)