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研究活動 For Society

研究技術を社会に実装し価値を創出するには、適用における社会全体への影響についてデザインすることと、必要最小限の構成で実際にどのような影響があるのか検証することが大切です。わたしたちは、そのための活動として、さまざまな社会課題を解決していくための理論的な枠組みづくりと具体的なフィールドでの技術適用の2つの方法でアプローチしています。理論的な枠組みづくりでは、社会的価値と経済的価値の両立を実現する場としてのコモンズの探求、および課題の構造を捉えた上で新しい社会の姿をデザインしていくためのリファレンスアーキテクチャの設計を行っています。技術適用では、人流データの活用による地域観光マーケティングの支援や、森林の多面的機能の可視化による森林整備の支援など、具体的な社会課題の解決に取り組んでいます。

研究活動

理論的な枠組みづくり

技術の力で社会をより良く変えていくためには、技術を単体で捉えるだけでなく、実際の社会に技術が適用された全体像をデザインすることが大切です。わたしたちはそのデザインのための理論的な枠組みづくりを進めています。ひとつは未来に向けて持続可能な社会を目指す課題の構造を捉え、新しい社会の姿をデザインするアーキテクチャの設計手法です。分野・業界を横断した多種多様なステークホルダーと連携し、システムを規律するアーキテクチャを設計する手法の確立を目指します。もうひとつは社会的価値と経済的価値の両立を実現するコミュニティの探究です。デジタルコモンズの一つの要素として、複雑で正解のない社会課題に対し、それに挑むコミュニティ形成ならびにその活動の場となる出会いと学びの場のデザインを探究します。

技術適用

観光マーケティング分野では、観光振興策を考える人がデータに基づいて意思決定しやすくなるための研究を行っています。具体的には、中国地方を中心に5県にまたがる範囲で、人の移動や滞在状況の実態をIoTセンサーや携帯電話データから収集し、観光スポットの来客実態を高精度に分析することで、マーケティングに活用する実験を行っています。また、高度なデータ分析スキルを持たない人でも示唆を得やすいデータの見せ方についても研究しています。
また、森林・林業分野では、森林の機能の可視化に関する研究を行っています。日本の国土の約7割を占める森林の機能には、木材生産(物質生産)だけでなく、洪水緩和による防災や水質浄化(水土保全)、CO2吸収(生活環境保全)、健康増進や行楽(保健・レクリエーション)、森林環境教育や体験学習の場(文化)、野生動植物の生息・生育の場(生態系保存)などの多面的な機能があります。森林が適切に整備されず、森林の持つ機能の維持・発揮が困難になると、災害の発生や自然環境への影響が避けられません。森林の多面的機能の可視化の研究では、森林の機能の維持・発揮のために、機能を定量的に評価することで可視化し、各機能の評価を踏まえた適切な森林整備を計画・実施する自治体やフォレスター(森林総合監理士)の支援を目指しています。

OODAループ 概念図
森林の多面的機能を可視化 概念図

「日本ユニシス 中国地方を中心とした自治体・観光協会・DMO/DMCおよび観光事業者とともにIoTセンサーによる観光マーケティングのDX実証実験を開始」PDF