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研究活動 For Next Technology

高度な情報処理システムの発展により、情報空間はこれまでにない広がりを見せています。一方、現実の世界では、物理的な制約や身体が確固として存在し、それが世界や人々の基礎をなしていることもありありと感じられるところです。本研究所では、未来にむけて世界が豊かな発展をとげるために、これら二つの空間を自由に往来する基盤を提供することを目指しています。基盤の形成にあたっては、数理的なアプローチを採用しています。なぜなら、数理的な手法は、具体から抽象への段階的なはしごを掛けるとともに、それぞれの間をつなぐ手段を提供する力を持っていると考えるからです。

研究活動

数理モデリング

現実の社会課題へ取り組むには、不確実な状況で多数の要素が絡み合う複雑なシステムと向き合う必要があります。複雑なシステムは、適切に制御されないと各要素の小さな不安定性が全体に波及して、システム全体の挙動が不安定になってしまうことがあります。この問題に対して本研究所では、数理的なアプローチによりシステムの基盤を支え、安心して使えるシステムを提供することを目指しています。
現在の研究の中心は人工知能です。人工知能には主に統計的な手法と論理的な手法の二つがありますが、本研究所では、“統計的な手法に頑健さや保証を与えるための研究”と“論理的な手法に不確実性を許容するための研究”の両側面からアプローチしています。最終的にはこれら二つの手法を数理的に統合することが人工知能の基盤を与えると構想して研究を推進しています。

探索と報酬獲得のバランスを最適化したい 概念図
意思決定アルゴリズム 概念図

Variational Bayesian Parameter-Based Policy Exploration. International Joint Conference on Neural Networks (2020) 別ウィンドウで開く

Many-Valued Tableau Calculi for Decision Logic based on Approximation Regions in VPRS. International Journal of Reasoning-based Intelligent Systems (2021)別ウィンドウで開く

量子ソフトウェア

量子計算機は、状態の重ね合わせや量子もつれ合いなどの量子的特性を用いることで、古典的物理法則にのっとって動く従来の計算機よりも高速な計算処理を可能とします。しかし、量子計算は特定の問題に特定のアルゴリズムを使うことで高速化を可能にするもので、実用化のためには適用可能なソフトウェアの研究開発が欠かせません。また、量子計算のその特殊性により、量子ソフトウェアの開発には従来と異なるアプローチが必要です。
本研究所では、具体的な量子アルゴリズムの研究開発を進めるとともに、量子ソフトウェアに適した開発方法論・高水準言語・開発ツールの整備を進めて、量子計算機の実用化に向けて研究を推進しています。

量子ソフトウェア 概念図

「プロセス理論としての量子計算 」ユニシス技報,通巻145号 (2020)PDF

『圏論的量子力学入門』森北出版 (2021) 別ウィンドウで開く

『圏論的量子力学』森北出版 (2021)別ウィンドウで開く