天空光源シミュレーション
天空光源シミュレーションについて
BIPROGYでは地上から見上げる太陽光線をシミュレーションする『天空光源シミュレーション』の技術研究を進めています。この技術研究は構造物の劣化や人類の健康などに関係する太陽紫外線と、植物の育成や景観に関係する太陽可視光線、熱に関係する太陽赤外線の各波長に対するエネルギー強度や積算値を日時・場所・照射される方向に応じて計算するものです。
たとえば、ある場所の1時間おきの日射強度を波長帯ごとに計算したり、天空図のイメージを描画するなど、太陽光線を数値化および視覚化できます。
天空光源シミュレーションの特徴
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いつでも
年月日時分秒の指定が可能です。 -
どこでも
世界の大気観測データを利用しており、地域を限定せず地球上の場所の指定が可能です。また、高度の指定も可能です。 -
どの方向でも
方角と仰角/俯角(照射方向)の指定が可能です。 -
どの波長でも
紫外線、可視光線、赤外線、または、独自の波長帯を指定し、計算の刻み幅を1nm単位で指定できます。 -
高い精度
現在の計算精度は約85%ですが、更なる精度の向上に取り組んでいます。 -
特許出願中
大気による光の散乱モデル
昼光は光源として分類すると、直達光、散乱光、反射光に分けられます。直達光は太陽から直接地上に到達する太陽光(直射日光)で、散乱光は空気中で散乱して地上に到達する太陽光(天空光)です。反射光は、直達光や散乱光が地面や樹木、建物等に反射してくる光です。
天空光源シミュレーションは、指定された緯度、経度、日時から太陽高度を算定後、大気上端の太陽光線を波長ごとに分光したスペクトル分布を初期値として、大気中の散乱・吸収現象について放射伝達方程式を解くことにより、地上に到達する太陽光線(紫外線・可視光線・赤外線)のエネルギー強度を計算します。
このように、波長ごとに直達光と散乱光が計算できるので、反射光についても、地面や地上物体をモデリングすることにより、直達光と散乱光のエネルギー強度を用いて計算可能です。また、雲量の予測/実績データを天空光源シミュレーションと共に利用することで、より精度の高いモデルが構築でき、高精度の計算が可能になります。
『天空光源シミュレーション』の活用イメージ
天空光源シミュレーションを利用すると、太陽光線が関係する物理現象を数式等でモデル化することにより、精緻なシミュレーションが可能になります。たとえば、紫外線の人体への影響度合いの計算、塗装・材質の劣化予測/遮熱塗料の効果予測、固体/液体/土壌/人体等の温度予測、太陽光発電量予測/植物等の成長予測、といった時系列のシミュレーションです。
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