研究活動 For Human
身体的・精神的・社会的に良好な状態であるウェルビーイング(wellbeing)はどうすれば高まるのでしょうか?主観的なウェルビーイングの国家間比較を実施しているWorld Happiness Reportによると、ウェルビーイングを高めるには一人あたりのGDPに加え、健康余命、周囲の人々から与えられる物質的・心理的支援、人生の選択の自由など全部で6つの指標が重要とされています。わたしたちは健康余命の延伸、物質的・心理的支援の加速、および自己の可能性の拡大に役立つITサービスの開発を目指し、ウェルビーイングの身体的、精神的および社会的側面における基礎研究を進めています。
研究活動
身体的ウェルビーイング
病気でなく機能障害がない状態を維持するためには、個人の状態を正しく可視化する技術が重要です。わたしたちは、医用画像やウェアラブルデバイスによる生体情報の計測データを基に個人の状態を明らかにする研究を行い、その成果である可視化技術を医療機関と協力した疾病の早期発見と早期治療、個人への働きかけによる生活習慣の改善に繋げることで、身体的なウェルビーイングの向上に貢献します。
精神的ウェルビーイング
精神の状態は肉体の健康や仕事の能力などさまざまな要素に影響します。わたしたちは、自己決定理論を基に、内的要因による個人の動機付け(モチベーション)向上によりエンゲージメントを高める研究や、個人の匂い嗜好に影響を及ぼす要因探索により、利用者の満足感を高める商品開発への貢献を目指す研究などを通じ、精神的なウェルビーイングの向上に貢献します。
社会的ウェルビーイング
個人の肉体と精神の維持向上のためには社会や組織からの支援も重要です。わたしたちは、病院を核に地域のウェルビーイングの向上を助けるスマートホスピタル実現のため、エスノグラフィー(*1)による課題抽出や未来洞察(*2)によるビジョン作成を行っています。加えて、将来、高度に多様化する日本の社会や組織を見据え、社内の風土や環境データを基に従業員のウェルビーイングを高める改善策を提案するための研究を進めます。
(*1)「エスノグラフィー」:
集団や社会の行動様式をフィールドワークにより観察し記録する手法、潜在的なニーズや課題の掘り起こしに有効とされる
(*2)「未来洞察」:
未来における変化に繋がる兆しと将来生じうる課題を組み合わせて発想することで、多数の不連続な未来を想像する手法
「鳥取大学医学部附属病院、日本ユニシス スマートホスピタル実現に向けた包括共同研究を開始」