ファシリティマネジメント(FM)とは
ファシリティマネジメントとは、経営資源『モノ』で表現される設備を、経営戦略的な視点から統括的に、企画・管理する経営活動のことです。
ファシリティマネジメント(FM)とは
ファシリティとは、オフィスだけでなく工場や、インフラ設備等を指します。
これは、4大経営資源として、ヒト・モノ・カネ・情報のうち、『モノ』で表現されます。
『モノ』として表現されるファシリティは、以下のように定義でき、
オフィス環境や工場/設備は、事業の競争力を生み出す源泉であり、病院や公共インフラに至っては人命に影響を及ぼす可能性もある
重要な経営基盤です。
この経営基盤を、企画・管理・投資するのがファシリティマネジメントです。
- FMも、事業を支える4つの機能分野(人事、ICT、財務、FM)として位置づけ他の機能分野と連携して戦略の検討・実行が必要です。
- ファシリティを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、運営・維持する必要があります。
出典:(公)日本ファシリティマネジメント協会別ウィンドウで開く
ファシリティ管理の重要性
1. ファシリティコストが占める割合は大きい
ファシリティコストは人件費に次ぐ負担であるため、経営組織全体のファシリティ状況の把握、効率的な運用は重要です。しかしながら、日本ではファシリティコストは固定費として管理し、効率的な運用が出来ていない状況です。
- 20%:損益計算書上、不動産やオフィスなどのビルに関連した費用が20%を占める。
- 25~35%:貸借対象表上、35%の資産は不動産やビルなど施設資産である。
2. ファシリティマネジメントにおける問題・課題
- 各拠点の資産状況の把握に時間がかかる。
- 全社横串しの情報の取りまとめに時間がかかる。
- 情報が最新なのか、現況を反映しているのか分からず不安。
- 本社からいろいろ情報提供を求められる。
- 拠点で利用している情報と本社共通の情報が別々に管理されている。
- そもそも建物台帳、設備台帳、部屋台帳など参照したい情報がない。
各部門に情報が散在、かつ標準化されてなく、担当がExcelや個別システムで管理(縦割り)
大企業であるほど、自社のファシリティ資産を「正しく、横断的」に把握できておらず、資産のムダが発生している。
3.ファシリティデータ集約の必要性
事業部門や子会社はオフィスや工場といったファシリティを独自に保有したり管理したりしていることが多く、
情報が散在し、かつ標準化されおらず、経営組織全体の状況が正しく・タイムリーに掴めません。
効率的にファシリティを管理するためには部門横断的に全情報を提供でき、経営の戦略的意思決定を支援するファシリティデータの統合が必要です。
大企業であるほど、自社のファシリティ資産を「正しく、横断的」に把握できておらず、ファシリティ資産のムダが発生しています。
- どこにどれだけの不動産があるのか
- どこでどれだけの不動産を借りて/貸しているのか
- どの建物でいつ、いくらの大規模修繕工事が発生するのか
- 計画と比べ、実績はいくらなのか
- どの建物に、何でいくらかかっているのか
- 他の建物と比べて高いのか安いのか
- どの部署が、どれだけの執務面積を占有しているのか
- イノベーションを創発するオフィスになっているか
ファシリティデータの情報を吸い上げ、蓄積・集約させることで効率良くファシリティ管理を行うことが重要です。
ファシリティマネジメント(FM)の活動
FMの活動は、以下のPDCAサイクルを回します。
【P】経営戦略をインプットに計画策定を行う
【D】ファシリティの運営維持を行う
【C】計画に対する実績を評価する
【A】改善点があれば、経営課題やFM計画にフィードバックする
経営戦略をインプットにした計画からスタートするPDCAサイクルを回すべきですが、国内のFMの適用は、【D】運営維持のみに目が向けられている傾向が強く、現場改善のみが取り沙汰されています。
*記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。