化学業界のカーボンフットプリント算定の必要性や課題を解説 - コラム
化学業界がカーボンニュートラルに取り組む意義
化学産業は、産業部門の中で鉄鋼に次いで多量のCO₂を排出する分野です。
その要因として、プラスチックの製造過程におけるCO₂排出だけでなく、廃棄時のサーマルリサイクルや単純焼却によって、年間1592万トンのCO₂が発生していることが挙げられます。
また製品ライフサイクル全体を通して見ると、化学産業は川上に位置し、プラスチックやゴム、機能性化学品など、多様な製品群の原料を供給する役割を担っています。自動車や電気電子産業をはじめとする川下産業がカーボンニュートラルを進めるためには、調達元である化学産業のカーボンニュートラル化や情報開示が必要不可欠です。

出典:「化学産業のカーボンニュートラルに向けた国内外の動向 2023年1月25日」経済産業省
化学企業がカーボンフットプリントの算定に取り組まないリスク
カーボンニュートラルが意識の高まりを見せ、環境対策を求められる社会では、カーボンフットプリントを算定しサプライヤーやステークホルダーに情報を開示すること、算定したカーボンフットプリントの結果をもとに製品のCO₂を削減することが欠かせません。
カーボンフットプリントの算定に取り組まないリスクは主に、規制対応の遅れ、ビジネス機会の損失、競争力の低下、投資対象からの除外の4つにあります。

化学品のカーボンフットプリント算定は大変
環境意識の高まりに伴い重要性が増すカーボンフットプリントですが、カーボンフットプリントを算定し、開示をするまで簡単ではありません。
カーボンフットプリント算定には業務の負荷が膨大、社内に算定知財・実績がなく対応できない等の課題を伴います。
また、化学品の製造過程では業界特有の製造方法や副生品の発生が想定されます。
そのため一般的な算定ツールでは化学業界の製造プロセスや独自の算定ルールに対応しておらず、化学品のカーボンフットプリント算定が困難です。

BIPROGYの取り組み
BIPROGYは2024年12月より、化学品に特化したカーボンフットプリントの算定支援サービス「EcoLume」を提供しています。EcoLumeは、算定業務代行サービス、算定支援コンサルティングサービス、CFP算定システムと3種類のサービスを展開することでお客様のカーボンフットプリントに関する課題を包括的に解決します。