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企業・産業×サステナビリティ

取り上げるテーマは「RegTech(レギュレーション×テクノロジー)」「生産性向上」「遠隔コミュニケーション」である。労働人口減少が続く中で、企業・産業はコンプライアンスにも対応しながら、デジタル技術を活用して生産性向上に取り組み、サステナビリティを追求していく。

1 デジタル時代のコンプライアンスと事業継続

環境問題や個人情報保護など社会課題の解決に向けた制度等の増加に伴い、経済活動に対する規制やルールも増えていく。そのため企業はコンプライアンス対応業務の効率化をいっそう推進する。複雑な規制への対応には金融/フィンテック分野で先行しているRegTechが応用され、多くの産業で浸透していく。製造分野では障害予知業務等にAIの適用が進んでいるが、この先サプライチェーン全体で業務規則が順守されていることを見守る仕組みなどにも広がっていく。またリリース文書・契約文書・企業内文書などを処理したり、SNS等の幅広い情報源を利用する上で自然言語のセマンティクスを扱えるAIが活用されるようになる。規制・ルールの増大だけでなく、自然災害など企業・ビジネス自体の存続に影響する様々なリスクに備えて、事業影響度分析や早期復旧計画などBCPの見直しも進められる。

2 作業プロセス全体の自動化による生産性向上

機械学習を主流とする現在のAIは、生産ラインでの不良品検査やスマートフォンの顔認証など、パターン認識技術による画像処理などが活かせる業務やサービスを中心に採用されている。今後はそうした人間の一部作業の代替から、作業プロセス全体の自動化・最適化へと適用が広がり、各業種・業界での生産性向上に大きく貢献していく。膨大な選択肢を網羅的に検証し最適解を抽出する能力や、リアルタイムにセンシングしたリアル空間のデータをシミュレーションする能力などが進化することで、創薬、新材料開発、電力需要に応じた供給力の細かな調整、熟練者によるプラント調整操作の自動化などが実現されていく。既に医療業界ではがんに影響があるとされる物質の分析で成果をあげており、診断精度の向上や患者負担の少ない検査の開発などが期待されている。

3 遠隔コミュニケーションや仮想現実による生産性向上

コロナ禍でのオンラインによる業務実行の普及を通して、人々は距離や時間に制約されないという利便性を改めて実感した。こうした遠隔コミュニケーションはxR(仮想現実、拡張現実、複合現実等)技術と組み合わされることでさらに進化し、様々な分野の生産性向上に貢献していく。医療や教育現場での活用が広がっているxR技術は、例えば複数の医師が患者の体内MRI画像を共有して手順を確認しながら手術に臨める状況を実現した。この先、遠隔地にいる熟練作業員と現場の新人作業員が、双方の仮想現実空間に故障設備の写真画像を表示して共同作業することも可能になるだろう。さらに、リアル空間に仮想現実を重ねて表示したり、それを手や体の動きで操作できるようになることで、より多くのビジネスに新たな体験価値がもたらされるだろう。

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