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地球・環境×サステナビリティ

取り上げるテーマは「サーキュラーエコノミー」「電力エネルギー需給の最適化」である。化石燃料から発生する温室効果ガスが気候変動を起こすなど、地球資源の利用による環境ダメージが憂慮されている。地球環境と社会経済の両立に向けた様々な取組みを通して、地球全体のサステナビリティが目指される。

1 環境負荷低減と市場創出を同時に狙うサーキュラーエコノミー

従来の直線型経済モデルに欠けていたのは、消費したモノを潜在的な資源と捉え、「静脈」に乗せて再資源化し再度「動脈」に流すという発想である。今後、社会・経済システムは、資源や製品の価値をできるだけ長く維持して廃棄物を最小限に抑えることを目指す、循環型経済モデルへと転換していく。これまでは難しかった消費済み製品・部品の再資源化に向けた管理・流通、需要とのマッチング、あるいはシェアリング等による資源の利用最適化などにデジタル技術が活用され、「循環するバリューチェーン」を実現する新たな市場が創造される。

2 サーキュラーエコノミー視点での未来社会に向けた戦略再構築

サブスクリプションモデルやシェアリングモデル等、「所有」よりも「使用」に着目したサービスが製造業を中心に広がっており、今後IoTやビジネスエコシステムのプラットフォームをベースにして進展する。食や農業の分野では、需給のミスマッチが生む食品廃棄・環境負荷の増大という課題に対し、直線型経済モデルで「捨てる」とされていた消費物を「使う」へシフトする動きが広がる。食品廃棄物や農業残渣を原料としたバイオマス製造、そこからさらにカーボンニュートラルな燃料や新素材を製造する新しい技術がこうした動きに貢献していく。全ての消費が別の新たな価値を生むというサステナビリティの実現に向け、サーキュラーエコノミーを前提としたビジネス戦略構築と新たなサービス創出への期待が高まっていく。

3 電力エネルギー需給の最適化

電力エネルギーの安定供給に向けた利用最適化を実現するため、P2P電力取引(電力会社以外の個人・法人による余剰電力取引)が促進される。電力メーターへのIoT機器導入(スマートメーター化)により、消費電力が自動計測・分析・可視化されることで、需要量の予測精度向上、安定供給計画の策定が可能になり、需給マッチングの効率化に役立つ。また、データ改ざん耐性やプログラムの自動実行機能を持つブロックチェーン技術の適用により、取引の信頼性・透明性が確保されるだけでなく、売り注文と買い注文を引き合わせる自動契約、各種方式(オークション、ザラバ、ダイナミックプライシング等)による価格決定、そして自動的な配電に至る一連の仕組みが実現できる。売買契約に基づいた電力量だけが取引されるようになれば、需給バランスの最適化に大きな効果が期待できる。今後は制度・ルール面をはじめサービスの本格化に向けた研究が活発化する。

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