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社会・公共×サステナビリティ

取り上げるテーマは「ジェロントロジー」「インクルーシブシティ」「レジリエントシティ」である。多様性の包摂という価値観のもとで社会のサステナビリティが推進され、安全安心・公平の確保も促進される。災害等の非常事態に対して強靭な街がつくられていく。

1 ジェロントロジーの進展 - 若者も高齢者も元気で活躍できる社会の構築

人口における年齢構成の変化がもたらす労働力減少、医療費・介護費の増大、介護要員不足といった社会課題が議論される中、長寿社会の在り方そのものが見直されはじめている。例えばジェロントロジーは、高齢者も積極的に社会へ参画・貢献する主体と捉えた上で、若者から高齢者までの全世代がより健康で活躍できる社会にしていくことを目指す学問である。こうした価値観に基づき長寿社会に対する全世代視点での体系的研究が進む。研究の成果は、社会制度の変革、多様なプラットフォームの構築、デジタル技術を活用した新たな市場形成などに反映され、歳を重ねても生き生きと暮らせる社会システムがつくられていく。

2 インクルーシブシティ - 誰一人取り残さない街

サステナビリティの条件の1つである多様性の包摂が街づくりにも反映されていく。性別や国籍、社会的地位、障がいの有無等に関わらず全ての人が住みやすさ・過ごしやすさを実感できる街=インクルーシブシティの実現に向けた取組みが進む中で、デジタル技術への期待も高まる。例えば視覚にハンディキャップがある人の外出意欲の向上や自立した生活を支援する取組みの1つとして、障害物検知、音声通知、健康管理、質問への音声回答などができる杖の開発が進んでいる。デジタルリテラシーが低い人でもサービスの利便性を受けやすいUI(ユーザーインターフェース)技術などもいっそう進化していくだろう。

3 レジリエントシティ - 防災・減災に向けた対応力と回復力のある街

住民が快適に暮らせるためには、普段の生活の利便性が高く経済活動が最適化されていると共に、災害や犯罪等の外的ショックといった非常事態への備えが整った街(レジリエントシティ)であることが重要である。安全・安心を継続的に確保するためには、非常事態に際してその影響を最小化する対応力、自ら回復する力が求められる。そうしたレジリエンスの強化のため、災害時の被害予測、防災計画・初動対応・復興対策の策定等にAIが活用されはじめている。ある街では自然環境、人口、インフラに関するデータ、河川水位などのライブインシデントデータをAIが分析し、自然災害に対する脆弱性評価や被害予測を行っており、その結果をBCP(事業継続計画)や防災計画の策定などに役立てている。

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