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「誰一人取り残さない」社会を実現するためのデジタル技術

デジタル技術は、人と人のつながり、健康な生活、自己実現などに寄与することで、ウェルビーイングを高める。生命科学分野との融合によりさらなる進化が期待される。

1 もう一つの体で世界とつながる

どこにでも行ける自分の「分身」を通して、人とつながり、様々な世界を体験できる。それを実現するのがアバターロボットである。遠隔地にいながら自分の体のように操作できるアバターロボットは、人を身体的・空間的な制約から解放する。例えば病気で学校に行けない子供や介護を必要とする人でもアバターを通して外の環境とつながれる。今後、医療や教育をはじめ、新たなつながりを生む様々なサービスに活用されるだろう。

2 話さなくても通じる

人の思いを読み取れるコンピューターが実現すれば、いわゆるテレパシーコミュニケーションが可能になる。脳の活動状況を読み取り可視化する技術や、脳波を利用して脳と機械をつなぐBMI(Brain Machine Interface)技術は、自分自身を客観的に理解する一助となったり、障がい者とのスムーズな意思疎通の支援に活用できるなど、コミュニケーションの可能性を広げるものとして期待される。脳波の解析技術が進化することで感情や集中力の推定精度も高まり、学習能力向上や行動変容に貢献するサービスの出現が見込まれる。

3 人の感情を大切にする

デジタル技術によって人の気持ちを読み取ったり、感情にさりげなく働きかける「感情コンピューティング」が、人生の様々な場面でウェルビーイングを高めるサービスに利用されるようになる。AIによる感情認識には顔画像認識、音声解析、言語解析、生体情報センシングなど様々な技術が適用され、その精度を高めるために、表情、声、文章、心拍といった複数の入力情報を評価指標として組み合わせる手法が取られる。感情を認識するロボットが子供の友達となり、読み取った感情に応じた接し方をしながら学びをサポートするという実験では、子供たちが新しい言葉を覚えるといった学習効果だけでなく、ポジティブな感情の度合いが増加する傾向が確認されている。

4 デジタル技術で治療する

精神疾患や認知機能の治療において、今後アプリの利用が有力な選択肢になっていく。小児医療向けに開発された治療用アプリが米国食品医薬品局から承認されている。ゲームを通じて症状改善を目指せるなど、今後様々なアイデアを盛り込んだアプリが開発されていくだろう。また、うつ病、認知症に対するデジタル治療の研究やソフトウエア開発も進んでおり、一人一人の患者に応じた新しい治療の形が生まれようとしている。

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