CAREERキャリア紹介
全体最適の追求と
運用フェーズの改善で
懸案のシステム刷新を実現
S.YAMAMOTO
公共ビジネスサービス第二本部 ヘルスケアサービス部 第一室2011年入社
- #新卒入社
- #入社10年以上
- #システムエンジニア
- #公共
ROLES
※2021年12月取材時点
一貫して医療サービス分野に関わる
私の所属は、入社当初から公共ビジネスサービス本部のヘルスケアサービス部です。医療と介護の分野でビジネスを展開しています。現在担当している仕事は2つあり、1つは、医療情報システムの保守および運用をおこなうプロジェクトのプロジェクトマネージャーとしての業務、もう1つは、国家プロジェクトとして推進されている医療サービスプラットフォーム事業のコンサルティングをおこなうチームのリーダーです。
医療情報システムのプロジェクトマネージャー業務では、忘れられない経験をしました。今は、保守・運用のフェーズに入っているものですが、着任したときは、システムの更新が目前に迫っていました。当社がこのシステムを任せていただくようになってから長いのですが、業務の一部において構想は以前からあるもののシステム化できていないという課題がありました。「今度こそぜひ実現したい」とお客さまの期待も大きく、この実現は、新たにプロジェクトマネージャーとなった私の大きな責任であり役割でした。ところが、実際に着手してみると、それは簡単ではありませんでした。
お客さま、ベンダーさまを巻き込み、
開発体制を刷新
多くの医療機関では、医療系と事務系の2つの組織が共存しています。その組織構造に、システム化がうまくいかない理由がありました。これまでの開発では、医療側の要望を聞いて医療従事者の業務に関連するシステムをつくり、事務側の要望を聞いて事務系のシステムをつくって、それを合体して運用しようとしていたのです。どちらも要望通りのものをつくっているのですが、実際に運用してみると、「このタイミングでその書類はつくれない」というように医療側、事務側いずれからも「使いにくい」という不満が出てしまうのです。つまり、それぞれの部分最適にしかなっていない。しかも、開発に当たったベンダーさまは「お客さまの要求通りにつくっているのに何故?」と、不満を持ってしまう。私は従来の開発の仕組みそのものを変えなければ、同じことが繰り返されるだけだと思い、2つのことを意識して取り組みました。
1つは、医療系と事務系の責任者が一堂に会する場を設け、開発メンバーも巻き込んで、医療機関としてのベストは何かを話し合ってもらうことです。さらに開発側としても考えられる理想的な業務フローを提案し、最適・最善のフローと機能を、開発メンバーと一緒になって考えていきました。
もう1つは、開発・実装を終えた運用フェーズに入ってからも運用が軌道に乗るまでサポートを続けることです。正解だと思っていても、実際に運用してみるとうまくいかないことはあります。フィードバックをもらって改善する、これを繰り返すことで、運用可能で価値のある機能をもったシステムへの刷新を実現することができました。
日本の医療を支える
国家プロジェクトに参画
医療情報システムの更改は、自分がプロジェクトマネージャーという立場だったことで、思い切って取り組むことができたと思います。懸案だった業務のシステム化に成功しただけでなく、それ以降お客さまも、従来以上に医療機関の業務全体を視野にいれて機能の細部のことを考えてくださるようになり、事務系の方から「その点はドクターに聞いてみよう」という声が自然にあがるように医療系と事務系の双方のコミュニケーションも大幅に改善されました。また、開発チームは、「要求の通り開発する」という発想を超えて、お客さまに届ける価値に注目し、どうすればより良いものになるかを考えるようになりました。
今私は、この医療情報システムの運用フェーズを引き続き担うと同時に、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の1つとして推進している「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」社会実装に向けたプロジェクトに携わっています。当社はこのプロジェクトにおいてさまざまな役割を担っていますが、その中で私は医療サービスプラットフォームのセキュリティとAPIに係る研究開発を担うチームのリーダーを任されています。大きな国家プロジェクトであり、さまざまなデータと科学技術を駆使した医療の高度化やAIのサポートによる医療従事者の負担軽減は、医療分野における課題を解決し、今後の医療を支える画期的な取り組みです。
現在の収益を司る従来ビジネスを維持拡大しつつ、将来を見据えた次なる収益基盤をいかにして創り上げるか。会社が掲げる方針に貢献できる人財になりたいと思っています。