【12月27日 : 第7戦 vs NTT東日本 】 ・スコア
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・ 第1複 アルベン ユリアント チャンドラ・廣部 好輝 2 - 0 佐藤 翔治・川前 直樹 無敗のまま迎えた翌日の最終戦は、2連覇中ながら前日のトナミ運輸戦で敗れ、ここまで5勝1敗となっているNTT東日本チームとの対戦。 トップダブルスに佐藤・川前組を起用し勝負をかけてきたNTT東日本に対し、アルベン選手とペアを組むのは日本リーグ2009初出場の廣部選手。
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トップダブルスは今期初登場となる廣部好輝とアルベンのペア |
前日に出場を告げられ、緊張で夜中に幾度も目が覚めたというものの、見事なコンビネーションと勝負強さを見せて2-0の勝利。与えられたチャンスを確実にものにし、チームに勢いを与えます。
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果敢に攻め続けるアルベン・廣部組 |
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アルベン ユリアント チャンドラ |
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廣部 好輝 |
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ストレート勝利で優勝に王手をかける |
・ 単 池田 雄一 0 - 2 佐伯 浩一 シングルスは池田雄一選手と佐伯浩一選手との顔合わせ。
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シングルスは2年ぶりのリーグ登場となる池田雄一 |
肉離れによる山田選手の欠場を受けて急遽出場が決まった雄一選手は、自らの手で優勝を決めるべく懸命にシャトルを追います。
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懸命にシャトルを追うが・・・ |
しかし一矢報いようと意地を見せるNTT佐伯選手の攻撃力が次第に上回り、善戦を見せるものの0-2で敗れて勝負は第2複へと持ち越されます。
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0-2でシングルスを失う |
・ 第2複 数野 健太・早川 賢一 2 - 0 山口 公洋・小松崎 佑也 優勝のかかったバトンを渡されたのは数野・早川組。 対するは二人の高校時代の先輩に当たる山口選手と来年度入社予定の小松崎選手。
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運命のラストゲームがスタート |
スタート直後から気持ちの入ったプレーで集中する数野・早川組は、NTT東日本ペアの抵抗をものともせず第1ゲームを奪取。 応援席、またベンチからの大きな声援を受け、第2ゲームものびのびと本来の実力を発揮して優勝への道を一直線に駆け上ります。
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優勝への道を一直線に駆け上る |
迎えたチャンピオンシップポイント、早川選手が前で崩してつくったオープンスペースに数野選手が素早く落として訪れた歓喜の瞬間。早川選手はすぐさまベンチを振り向いて両手でガッツポーズ、数野選手はラケットを宙に投げ、次の瞬間には二人の周りに選手たちが駆け寄り感動の渦が巻き起こりました。
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歓喜の瞬間 |
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3年ぶり3度目の優勝! |
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関西支社からかけつけてくれた日本ユニシス応援団 |
今期で引退を表明している坂本選手と小宮山選手は涙をこらえることができず思わず号泣。全員が一列に並んで観客への挨拶を終えた後は、功労者の胴上げが行われ、さらに肩を組んでの円陣から全員が人差し指を一点に挙げて、3年ぶりの頂点に立った喜びを表しました。
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待ちに待った胴上げ |
なお、最優秀選手賞は7戦全てに勝利した数野・早川組が獲得。
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最優秀選手賞は7戦全勝の数野・早川組 |
ルーキーでもある早川選手は新人賞とのダブル受賞となりました。
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新人賞も受賞の早川選手 |
またトナミ運輸戦、NTT東日本戦でのエース対決を制すなど、4人のパートナーとともに7勝を挙げ優勝に大きく貢献したアルベン選手は殊勲選手賞を受賞しています。
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殊勲選手賞受賞のアルベン選手 |
2009年シーズンを日本リーグ全勝優勝という最高の形で締めくくった日本ユニシス男子チーム。 2010年は、1月31日に行われる日本リーグ1部・2部入替戦に挑む女子チームとともに、日本リーグでの男女アベック優勝を狙います。 皆様の応援を何とぞよろしくお願いいたします。
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【12月26日 : 第6戦 vs 金沢学院クラブ 】 ・スコア
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・ 第1複 アルベン ユリアント チャンドラ・遠藤 大由 2 - 0 カレル・マイナキー・車 淳史
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トナミ戦で負傷・戦線離脱の池田信太郎に代わって 遠藤大由がアルベンとともに登場 |
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2-0の快勝でシングルスにバトンを渡す |
・ 単 山田 和司 2 - 1 坂井 一将
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シングルスは6戦連続で山田和司 |
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ベンチから見守るリファイと池田信太郎 |
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ペースをつかめずポイントを落とす |
・ 第2複 数野健太・早川賢一 2 - 0 木下 政彦・横山 康博
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第2ダブルスの数野・早川組 |
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安定した試合運びでポイントを奪い勝利 |
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【12月23日 : 第5戦 vs トナミ運輸 】 ・スコア
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・ 第1複 アルベン ユリアント チャンドラ・池田 信太郎 2 - 0 チャンドラ ウィジャヤ・平田 典靖 男子バドミントン界の3強と称されるNTT東日本、トナミ運輸、そして日本ユニシス。日本リーグ2009では当然のように各チームとも無敗を保ち終盤戦に突入している。 この日行われたさいたま大会は日本ユニシスとトナミ運輸の直接対決。最終節の守口大会に向けて、双方とも何としても落とせない重要な一戦だ。 オーダーはアルベン・池田(信)-チャンドラ・平田、山田-佐々木、数野・早川-黒瀬・橋本。第1ダブルスの勝敗の行方に注目が集まる。
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第5戦のトップダブルスはアルベン・池田組 |
アルベン選手が前で2本続けて決める好調な出足。しかしトナミペアも決定力のある平田選手の前衛を武器に対抗し、1点を争う展開となる。 9オールから2点を連取したのはトナミ運輸。だが池田選手のカウンターからアルベン選手の柔らかく落とすショット、池田選手の中央、コーナーを突く見事な配球で日本ユニシスが追いつく。 この第1ダブルスの重要性を両ペアとも深く認識し、集中の途切れない好ゲーム。全日本二冠の勢いか、平田選手が後ろで前で鋭いショットを放ち13-16、16-18とトナミペアがリードするが、アルベン〜池田の連続スマッシュ、アルベン選手の絶妙なサービスがチャンドラ選手のミスを誘い18オール。かと思えばそのチャンドラ選手がつなぎ球をネットインで決め、また池田選手の打球がバックアウトとなってトナミ運輸がゲームポイントをつかむ。 だが池田選手の絶妙な高さのレシーブが平田選手のラケットをかすめ、さらに池田選手のセンターへのスマッシュからアルベン選手がネットに飛び込むようにフィニッシュを決めて同点。 池田選手のフェイントによく対応した平田選手に前で打たれて再びゲームポイントを握られるも、アルベン〜池田〜アルベン〜池田と4連続スマッシュでそれを阻む。 次のラリーではチャンドラ選手が飛びつきながら放ったドライブがエンドラインをオーバーして初めてユニシスペアにゲームポイント。ここでアルベン選手がロングサービスでチャンドラ選手の意表を突く、まさに匠の技でサービスエース。23-21で日本ユニシスが第1ゲームを奪う。
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23-21で第1ゲームを奪う |
団体戦の第1試合にしてすでにベンチのムードは最高潮。 急遽駆けつけてくれたXリーグで活躍する日本ユニシスアメリカンフットボール部 BULLSのチアリーダーの応援も拍車をかける。
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日本ユニシスアメリカンフットボール部 BULLSのチアリーダー |
そうした相乗効果か、第2ゲームはアルベン・池田組が攻めの形をことごとくものにし5-0とする。 一方、負けられないチャンドラ・平田組も、ネット戦など低い展開でのポイントを重ねて6-5、9-7と迫る。 アルベン選手がチャンスボールを決めて10点目を得た後、ユニシスペアの11点目を賭けたラリーはこれぞバドミントンというべきスリリングな応酬。ネット前からの決定的な強打を互いに幾度となくレシーブし続け、最終的にジャンピングスマッシュを決めた池田選手はアルベン選手とともに渾身のガッツポーズ。 流れは完全にユニシスサイドに傾き、瞬く間に7点差をつける。
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第2ゲームも順調に点を重ねるアルベン・池田組 |
トナミペアもレシーブから時折一矢を報いるが、角度をつけた攻勢に出るのはほとんどがアルベン・池田組。池田選手が足の短いカットをノータッチで沈めとうとうマッチポイントを得ると、同じく池田選手が放ったカットをチャンドラ選手がネットに引っかけゲームセット。来日以来、国内大会では無敗を誇っていたチャンドラ選手をわずか11本に抑えてのストレート勝ちで、貴重な貴重な先制点が日本ユニシスにもたらされた。
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第2ゲームは11点に抑えて快勝! |
・ 単 山田 和司 1 - 2 佐々木 翔 第1試合の興奮冷めやらぬ中、シングルスの試合が開始となる。淡々と試合を進める佐々木選手に対し、山田選手はポイントを挙げるごとに声を上げてガッツポーズを見せる。 その剥き出しの闘志に気圧されたか、あるいはダブルスから引き継がれた流れか、佐々木選手はいつになくアウトを頻発。山田選手もシャトルの弾道を素早く捉えて積極的に打っていき、また守備に回っても佐々木選手の強烈なスマッシュによく対応する。3-5の劣勢から11-8と逆転に成功。90秒のインターバルには「頑張れ頑張れ山田!」と応援席から大きな声援が飛び、それを背に受ける山田選手はさらに得点を重ねていく。 これまでの試合では、シャトルに追いつくスピードはあるもののタッチが遅くなり、次を狙われるケースの多かった山田選手。前節の竹村選手戦での敗戦を反省し、この短期間にもう一段の成長を遂げているようだ。ショートサービスから相手のロブを狙い打ち、またネット前からは得意のフェイントを利かせたアタックロブで佐々木選手の足を止めてみせる。 19-11からやや足踏みしたものの、3回目のゲームポイントではカット気味のストレートスマッシュで佐々木選手の重心を逆サイドに向けてポイントし、21-15で第1ゲームを奪取する。
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闘志剥き出しで挑む山田選手 |
第2ゲームは集中を取り戻した佐々木選手が得意のスマッシュ&ネットなどで先行。一方の山田選手も柔らかいクロスカット、ラインぎりぎりへのスマッシュなど全く遜色のない攻撃を見せて競り合う。 自らのミスで3点差をつけられた7-10の場面でも、ラリーの中で厳しいコースを突き続けて4連続ポイント。さらに14オール、16-17、18-19と接戦を展開する。だがこの急速な成長を支える体力を、山田選手はこの時すでに使い果たしていた。わずかにずれ始めたフットワークのリズムは打球に影響を与え、ネット前、そしてクロスカットと2本を連続でネットにかけてしまい18-21。
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チームメイトも懸命に声援を送るが・・・ |
インターバルの間に何とか修正しようとした結果は、ファイナルゲーム開始直後の一球入魂の攻撃に見られたものの、抵抗もそこまで。 4-3からは佐々木選手がラリーの主導権を握る展開が続き、最終的には5-21で敗れて団体戦のスコアも1-1のタイとなった。
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シングルスは敗れ、1-1のタイとなる |
・ 第2複 数野 健太・早川 賢一 2 - 1 黒瀬 尊敏・橋本 博且 勝敗の委ねられた最終試合は、今期初めて第2ダブルスに回った数野・早川組が黒瀬・橋本組と対戦。 橋本選手には先の全日本総合決勝で苦杯を飲まされているだけに、この早い機会に雪辱しておきたいところ。 しかしユニシス有利と見られたこのカード、また団体戦の勝利のために落とせないという状況がユニシスペアに気負いとなって表れてしまう。 攻めが身上の数野・早川組なのだが、ここぞというときのジャンピングスマッシュがネットに突き刺さってしまう。 ネット前へのつなぎ球も白帯を越えず、またノーロブでのラリーにおいても思いのほか熟達しているトナミペアの前に上げてしまい、そこから前衛にもつかまり連続攻撃を決められるパターン。リズムをつかめないまま16-20とゲームポイントを奪われ、2点を返すものの黒瀬選手のクロスドライブレシーブがノータッチで決まり、第1ゲームを失ってしまう。
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リズムに乗れない数野・早川組は第1ゲームを落としてしまう |
第2ゲームも0-3とリードされる数野・早川組。しかし大きな声を出して肩にかかったプレッシャーをはねのけ、またドロップショットやスピードを抑えたスマッシュも使いながら拮抗した展開に持ち込んでいく。 第1ゲームと同様のミスが出てしまっても、互いに手を打ち合わせてコミュニケーションを取る二人。 6-4、7-7、11-11と競り、12オールで橋本選手のネット前にミスが出たところから3点をもぎ取り流れを徐々に引き寄せる。17-16と詰め寄るトナミペアに早川選手のフォアハンドドライブが襲いかかり、数野選手の反応のよい前衛も効を奏して19点。次のラリーでは黒瀬選手が前衛での強打をネットにかけ、21点目は早川選手がドライブレシーブで切り返してゲット。1ゲームオールに持ち込む。
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1ゲームオールとなり、勝負の行方はファイナルゲームへ |
しかしさすがは日本ユニシス対トナミ運輸の伝統の一戦といったところか、ファイナルゲームも一筋縄ではいかない。積極的に攻める黒瀬・橋本組の前にいきなり1-5とされてしまう。 第1ゲームと同じようなミスも出て意気消沈する二人だが、それでも何とか食らいついていくと6-9の場面で好機が訪れる。相手の猛攻を凌ぎきり、攻めに転じては数野〜早川の連続スマッシュで決めて大きくガッツポーズ!
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早川賢一 |
ここから流れをつかんで10オールで同点に追いつくと、次は双方の11点目をかけ、目まぐるしく攻守の替わる素晴らしいラリーを展開。早川選手が転倒しながらもレシーブして闘志を見せ、最後をネット前から数野選手が叩き込むと、会場は大歓声と拍手に包まれる。
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数野健太 |
これでさらに勢いを得た数野・早川組は、チェンジエンド後も次々とポイントを重ねていく。サービス周りに集中力を発揮するのはもちろんのこと、ラリー中は相手の打球へ入念な備えを欠かさずシュアなプレーを心がけ、つくったチャンスにフィニッシュ・ショットを決めては喜びを爆発させる。 応援席の日本ユニシスチアリーダー、会社から訪れた大応援団による大きなユニシスコールも二人を後押し。12オールから連続5点、さらに20-14と大きく引き離してついにマッチポイントを迎える。
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応援団のユニシスコールも数野・早川組を後押し |
トナミペアも最後に意地を見せて2点を返すが、最後は連続攻撃からコート中央に高く上がったチャンスボールを、早川選手が渾身のジャンピングスマッシュでコートに突き刺して21-16。 早川選手、数野選手ともに絶叫にも近い咆哮と体全体を使ったガッツポーズとで大きな山を越えた喜びを表すと、ベンチ、応援席、そして会場全体がこの日最も大きく沸き上がり、2時間30分を超える熱戦を締め括った。
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貴重な勝利をもぎ取った数野・早川組 |
日本リーグ2009も残すところ26日、27日の大阪府守口市での大会を残すのみ。 日本ユニシスチームは26日に金沢学院クラブ、27日の最終戦ではここ2年間日本リーグ優勝を勝ち取っているNTT東日本チームと対戦する。 この日の激闘の疲れを癒す時間は充分ではないが、強敵を相手に最後まで勝利を重ね、3年ぶりの優勝旗を必ずや手にしたい。
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全勝で大阪大会へと乗り込む |
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【12月20日 : 第4戦 vs JR北海道 】 ・スコア
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・ 第1複 数野健太・早川賢一 2 - 0 早坂 幸平・高島 雅彦 第1ダブルスに登場したのは、これまでの3戦に引き続いて数野・早川組。 対するは昨年まで日本ユニシスに在籍した早坂幸平選手と内定選手の高島雅彦選手のペア。 双方ともに攻撃力に定評のあるペア同士とあって、互いに強烈なスマッシュでエースを奪い合う展開となる。 しかし数野・早川組の優れたドライブ力、またJRペアのコントロールにやや粗さの見られる場面もあり、数野・早川組が徐々にリードを広げていく。 数野選手がカットスマッシュをオンラインに決めてゲームポイントを掴むと、ネット前の攻防から高島選手にミスが出て21-12。
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開幕から4戦連続トップダブルスで登場の数野健太・早川賢一組 |
第2ゲームではサービスから主導権を握り一気に11-3。 ヘアピンへの素早い反応やロングサービスでのエースと、短いラリーでテンポ良く得点を重ねていく。 大差をつけてほっとしたのか、中盤にかけてコントロールを乱し点差を詰められるものの、早川選手の連続プッシュで20-18とマッチポイント。 早坂選手も鋭い攻撃で意地の反撃を見せるが、最後は数野選手がネットインヘアピンでつくったチャンスを決めてゲームセット。 トップダブルスの役割をきっちりと果たし、シングルスにバトンを渡した。
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2-0でシングルスにバトンを渡す |
・ 単 山田 和司 1 - 2 竹村 純 第1ダブルスの快勝を受けて登場したのは愛媛県新居浜市出身の山田和司選手。 全日本総合3位の実績を引っさげての登場だが、地元の大きな期待を背負っているのかやや緊張気味の面持ち。試合が始まってもネットにかけるミスを連発するなど苦しい展開となる。 自ら攻めては拾われ、浅くなったロブには竹村選手がライン際へ鋭いスマッシュ。 山田選手はいつものスピードある攻撃をなかなか見せることができず、このゲームを10本で失う。
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山田和司 |
だが地元サポーターの前でこのままでは終われない山田選手。念入りに四隅へシャトルを散らす作戦でミスを誘い第2ゲームをリードしていく。 リバースカットで崩してプッシュでノータッチを奪う美しい攻撃で20点目を得、竹村選手のサービスプッシュがアウトとなり1ゲームオール。
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応援するユニシスチーム |
立ち直った山田選手がこのまま逆転勝利をつかむ流れと思われた。 しかしファイナルゲーム、抜け出したのは竹村選手だった。 山田選手がここ数日の寒さのせいか飛びにくいシャトルの制球に再び苦しみ出す一方、竹村選手は浅く上がったロブやクリアを積極的にコースに打ち込み得点を重ねていく。 最後も竹村選手のスマッシュ&プッシュが決まり、日本ユニシスはチームとして今期初めてポイントを失い、第4戦の勝負の行方も第2ダブルスへと持ち越された。
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今期初のポイントを失ってしまう |
・ 第2複 アルベン ユリアント チャンドラ・池田 信太郎 2 - 0 関野 有起・鈴木 知道 勝敗のかかったこの場面で颯爽と登場したのは、意外にも日本リーグ2009初お目見えとなる池田信太郎選手。 JR北海道戦では2005年、2006年、2008年の過去3度に渡り1-1のタイの場面で第2ダブルスに出場し、そのいずれにおいても勝利を収めている。 今期はアルベン選手との初のペアリングで全日本社会人3位の関野・鈴木組を迎え撃つ。
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公式戦初ペアとなるアルベン・池田組 |
公式戦では初めてのこのペア。コンビネーションのぎこちなさからか第1ゲームこそ勢いよく動き回るJRペアに手こずるものの、アルベン選手の圧倒的なシャトル捌きと池田選手のコートカバー力とを両輪に、ノーロブスタイルで急速に試合を支配していく。 シャトルを上げさせては、少ないステップからのジャンプスマッシュを二人ともが打ち込むなど素晴らしい攻撃力を発揮。
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圧倒的な強さで勝利を奪取 |
同じ1980年生まれ、また世界では対戦相手として幾度も熱戦を繰り広げた二人の互いを理解し合ったプレーに、詰め掛けた松山の観衆からは感嘆の声が幾度も聞こえてくる。 第2ゲームは失点をわずか6本に抑えて危なげなく団体戦の勝利を獲得。 いよいよ残り3戦となった日本リーグ2009を優勝で締めるべく、ダブルス王国・日本ユニシスにまた一つ強力なペアが誕生した。
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連勝を4に伸ばし、いよいよ23日・第5戦のトナミ戦を迎える |
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【11月3日 : 第3戦 vs 東海興業 】 ・スコア
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日本リーグ2009、日本ユニシスの第3戦は17年ぶりのリーグ開催となる京都・長岡京大会。 急激に冷え込みが厳しくなったこの日、東海興業チームを相手に全てストレート勝ちの3-0で破る快勝を収めた。 第1ダブルスに数野・早川組、シングルスに山田選手、第2ダブルスにアルベン・遠藤組と、日本ユニシスのオーダーは第2戦と全く同じ。
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日本リーグ長岡京大会 会場 |
・ 第1複 数野健太・早川賢一 2 - 0 高原 栄治・大滝 祐紀 トップダブルスの数野・早川組は序盤のスコアこそ7オールと競るものの、打球においても動きにおいてもスピードで相手を上回り余裕のある試合展開を見せる。9-8からはインターバルを跨いで連続8ポイント。早川選手が前衛、数野選手が後衛というスタンダードなパターンで得点を重ねていく。長身から攻める高原・大滝組の攻撃を完全にレシーブし、隙を突いてプッシュを決めてゲームポイントを奪うと、大滝選手のサーブプッシュがネットにかかり21-10。
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第3戦もトップダブルスは数野健太・早川賢一組 |
京都の隣・滋賀出身の二人に視線が注がれる中、第2ゲームもゆるぎない実力でリードを奪っていく。ネット前での速攻、また受けに回っても懐深く守りきるレシーブ力を発揮し、前日にヨーロッパ遠征から帰国した疲れを感じさせない。最後は東海興業ペアに3本のミスが続き、1ゲーム目と同じく21-10のスコアで試合終了。世界ランカーらしいさすがの完勝で第1ダブルスを制してみせた。
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ヨーロッパ遠征の疲れも見せずストレート勝利 |
・ 単 山田 和司 2 - 0 田村 潤 シングルスは山田選手と田村潤選手の同期対決。卓越したフットワークを活かし、ラリーの中から高速スマッシュを繰り出していく山田選手がいきなり8-0とスタートダッシュを決める。
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山田和司 |
アタックロブのミスと田村選手のネットインショットとで2点を奪われるが、お返しとばかりにクロスカットをネットインさせると、ここから計6連続ポイントで14-2。日本代表らしい圧倒的なパフォーマンスを見せる。動きのスピードに加え、ボディへのスマッシュなどパワーショットも冴える山田選手。このゲームを9本で手にし、第2ゲームも衰えないスピードでリズムをつかみ続ける。
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中西ヘッドコーチのアドバイスを受ける山田和司 |
得意としていたラウンドからのクロススマッシュを控えるなど、決め急ぐことのない落ち着いたプレー。またコートカバーにおいても、このゲームで相手に奪われたノータッチをわずか2本に抑えるほぼ完璧な仕上がり。21-10と、第1ゲームに続くダブルスコアで日本ユニシスチームの3連勝をつかみとった。
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チームメイトの祝福を受ける山田和司 |
・ 第2複 アルベン ユリアント チャンドラ・ 遠藤 大由 2 - 0 有田 裕佑・大滝 涼太 3試合目の第2ダブルス。ペアリングを模索しているという中西ヘッドコーチが、悩んだ末に送り出したのは前節と同じくアルベン選手と遠藤選手。東海興業は主将の有田選手と、内定選手の大滝涼太選手のペアだ。
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第2ダブルスは2戦目と同じアルベン ユリアント チャンドラ・遠藤大由組 |
試合開始直後、ユニシスペアは二人の視野の広さから生まれるスペースを突いた配球、遠藤選手の連続攻撃が奏功していきなり7-0とリードする。アルベン選手も中陣から前陣で素早く反応し11-3とするが、インターバル後は一転その打球が次々とネットにかかってしまい、東海興業ペアがじりじりと点差を詰める展開。 決定力のある大滝選手の攻めに苦しめられるが、ややミスの目立つ有田選手に助けられる形で何とか2点差以上のリードを保っていく。しかしたどりついたゲームポイントでは有田・大滝組の攻撃をひたすら大きくレシーブし続け、巡ってきたチャンスにアルベン選手がカウンタードライブを見舞うさすがのプレー。
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遠藤大由 |
第2ゲームでも東海興業ペアのミスを誘い、またロブをも捉えるアルベン選手の前衛と遠藤選手の渾身のスマッシュとが会場を沸かせていく。有田選手のロングサービスをアルベン選手が咆哮とともにコートに突き刺して21-14。終わってみれば第1戦、第2戦に続く全試合ストレート勝ちで、開幕からの連勝を3に伸ばした。
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第1戦、第2戦に続く全試合ストレート勝ちで、開幕からの連勝を3に伸ばした |
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【10月12日 : 第2戦 vs くまもと八代YKK APクラブ 】 ・スコア
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北九州大会2日目、日本ユニシスの相手は古豪・くまもと八代YKK APクラブだ。 宮崎・武山組、園田選手、花田・田上組と熊本出身の選手が並ぶYKKに対し、日本ユニシスのオーダーは第1ダブルスに数野・早川組、シングルスは山田選手、第2ダブルスにアルベン・遠藤組。 早川、遠藤、山田の大型ルーキー3名が早くも揃い踏みとなり、初日の日立戦に続く完全勝利で開幕2連勝を目指す。 ・ 第1複 数野健太・早川賢一 2 - 0 宮崎 晃平・武山 修三 トップダブルスに登場の数野・早川組は立ち上がりこそ5-3、8-6と競るものの、中盤以降は安定感のあるドライブレシーブなどから5連続得点を挙げ引き離す。相手の打球の速度を把握して守備を固め、攻めに回れば後衛・前衛の連続スマッシュでポイント。スピードを武器にドライブの打ち合いでも優位に立ち、ネット前でも反応鋭く飛びついて次々と速攻を決めていく。早川選手のサービスプッシュにより第1ゲームを11本で奪うと、第2ゲームでは力の入る宮崎選手のミスを誘って序盤で8-1と引き離す。
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第2戦もトップバッターは数野・早川組 |
テンポよく得点を重ねるユニシスペアに対し、YKKペアも絶妙なショートレシーブや連続スマッシュのコンビネーションで挽回を狙う。しかし数野・早川組は自信あふれるプレーを継続。武山選手のサービスミスをきっかけにこのゲームでも5連続得点を奪い、19-8と勝負を決定付ける。ほっとしたのかイージーミスも数本飛び出すが、数野選手がチャンスボールを確実に決めてマッチポイントを手にすると、最後も数野選手がサービスプッシュで押し切り21-12。エースペアにふさわしい磐石の戦いぶりで先制点をつかみとった。
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エースペアにふさわしい活躍をした数野健太・早川賢一 |
・ 単 山田 和司 2 - 0 園田 啓悟 シングルスは山田和司選手と園田啓悟選手の対戦。山田選手にとっては昨期の日本リーグデビュー戦、今年の全日本社会人と続けて勝利しているだけに負けられないところ。一方の園田選手は直前の新潟国体で竹村選手(JR北海道)を下すなど、団体戦での強さには定評がある。迎え撃つ立場の山田選手には厳しい戦いになることが予想された。
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シングルスは第1戦に続いて山田和司 |
開始直後に4本の連続ミスを犯した山田選手だが、むしろこれで冷静さを取り戻したのか、以降は正確なショットを積み重ねていく。足をよく動かしてフェイントを利かせながらラリーを展開する山田選手は、切れ味鋭くノータッチエースを奪うとともに、園田選手のミスショットを充分な体勢で見極め続けて試合をリード。園田選手はこのゲームで喫した21失点の内、実に10点を自らコート外に出してしまいリズムに乗ることができない。山田選手は特にバックハンドからのネットプレーに冴えを見せ、2度目のゲームポイントでもサービスレシーブをコート奥に沈めて21-8。第2ゲームも衰えぬフットワークでラリーを制し主導権を握る。
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日本ユニシスベンチ |
しかし11-6のインターバルを挟むと、奮起する園田選手がスピードを上げて山田選手を猛追。微妙な判定や照明が目に入るなどの不運も重なり、15-14の1点差に迫られてしまう。だが冷静さを失わなかったこの日の山田選手は、体を捌いて園田選手渾身のスマッシュをエンドラインの向こうに受け流し、またネット前ではわずかにタイミングを変えたロブで煽ってチャンスを引き出す。迎えたマッチポイント、低い展開に耐え切れずに園田選手の打球がネットへかかると、山田選手は振り絞るようなガッツポーズで喜びを表した。
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山田和司 |
・ 第2複 アルベン ユリアント チャンドラ・ 遠藤 大由 2 - 0 花田 政文・田上 良治 団体戦の2連勝は決まったが、続く第2ダブルスでは遠藤大由選手が日本リーグデビュー。昨日小宮山選手と初陣を飾ったアルベン選手と組み、日本リーグ94試合目の花田選手、88試合目の田上選手というベテランペアとの戦いに挑む。 第1ゲームはややミスの目立つアルベン・遠藤組。単発でのスーパーショットと表裏一体を成すかのように、たびたびネットやアウトを犯してしまう。マイペースを貫くユニシスペアを尻目に、YKKペアは的確な判断でカウンターやサービスエースを繰り出し9-11とリード。アルベン選手、遠藤選手ともに躍動感のあるスマッシュを随所に見せるのだが、12オール、15オールと追いつきはすれどなかなか追い越すことができない。16オールでYKKペアに2本のミスが続きようやくユニシスペアに2点のリードがもたらされるが、逆にミスが出てしまい追いつかれてしまう。
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アルベンとのペアで遠藤大由が日本リーグデビュー |
この場面での大事な一本をもぎ取ろうとアルベン・遠藤組は猛攻をかけ、対する花田・田上組は必死のレシーブでそれを阻もうとする。守りきったかに見えた花田選手のレシーブは、しかしわずかにサイドラインを割りユニシスペアに19点目。この好機を逃すはずもない百戦錬磨のアルベン選手は、前陣で相手の打球をシャットアウト。田上選手のミスを誘ってゲームポイントを得ると、充分な体勢からフェイントたっぷりにドロップを決め、当然のようにゲームを奪ってみせる。
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アルベン・遠藤組 |
第2ゲームも勢いを保ち先行するアルベン・遠藤組。二人のコンビネーションというよりは、それぞれが自らつくってフィニッシュまで持っていくパターンで得点を重ねていく。遠藤選手がネット際で壁となり10、11点目を連取した後はスマッシュエースのオンパレード。アルベン選手の緩急の利いたスマッシュ、遠藤選手の豪快な連打で21-13。開幕2連戦を狙い通り1つのゲームも落とさない完勝で終え、2年間遠ざかっている優勝に向けて最高のスタートを切った。
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開幕2連戦を完勝で終え、優勝に向けてのスタートを切った |
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【10月11日 : 第1戦 vs 日立情報通信エンジニアリング 】 ・スコア
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2009年10月11日(日)、北九州市立総合体育館にて「日本リーグ2009」が開幕しました。2005年、2006年と過去2回の優勝を誇る日本ユニシスは、チーム一丸となり3度目の優勝を目指します。 皆様の熱い応援をよろしくお願いいたします。
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日本リーグ2009がスタート |
いよいよ開幕した日本リーグ2009。昨年・一昨年とあと一歩優勝に手が届かなかった日本ユニシスチームが目指すのは、もちろん茄子紺の優勝旗だ。例年以上に実力者をずらりと揃えた今大会、まずは北九州の地で2連戦に臨む。 初戦の相手は日立情報通信エンジニアリングチーム。日本リーグ2008と同カードでの幕開けとあって、やはり昨年同様に3-0の完全勝利といきたいところだ。開幕ゲームを飾るのは数野・早川組。このペアとしての昨期の出場は1戦に留まったが、今期は日本ランキング1位、全日本社会人優勝の実績を引っさげて堂々たる登場。チームの柱としてリーグを戦い抜くことが求められる。対する日立情報通信エンジニアリングのトップダブルスはベテランの域に達しつつある山下・舘田組。ここは若さと勢いを見せてすんなり勝利したいところだ。 ・ 第1複 数野 健太・早川 賢一 2 - 0 山下洋平・舘田真哉 始まった第1ゲーム、しかし展開は意外にも序盤から接戦に。やや緊張が見られるのか、数野・早川組はサービス周りにやや安定感を欠きそのまま13-16、15-19とビハインドを許してしまう。だがドライブの打ち合いで相手のミスを誘って1点を返し、またネット前で素早く反応して決定打を2本連続決めて点差を詰めると、続くラリーでは猛攻を見事に守りきってとうとう同点。5連続ポイントと勝負どころでの集中力を示す。日立ペアも崩れずによく粘って延長とされるが、数野選手のネットインショットで得た4回目のゲームポイントでドライブ戦を制し、ユニシスペアが熱戦の第1ゲームを奪う。
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初戦のトップダブルスは数野健太・早川賢一組 |
これで緊張のほぐれた数野・早川組は、第2ゲームでは攻めの形を幾度となくつくってゲームを支配。逆に日立ペアはユニシスペアの攻撃力を警戒してか、ぎりぎりを狙ってのミスが多くなりリズムをつかめない。最後も山下選手のサービスプッシュがサイドアウトとなり21-8。「ヒヤヒヤさせてしまった」と振り返りながらも、大事な先制ポイントを勝ち取った。
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2-0で先制ポイントを奪う |
・ 単 山田 和司 2 - 0 銭谷 公浩 続いてはシングルス。昨年は内定選手としての登録ながら、重要な終盤戦で活躍した山田和司選手が銭谷選手と対戦する。 日立応援団が大きな声援で銭谷選手を後押しするが、この試合は山田選手の一方的な展開。持ち味であるスピードを活かして完璧なコートカバーを見せ、またアウトとなる打球にもしっかり足を運び余裕を持ってジャッジしていく。
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山田和司 |
相手の後方へのフットワークに難があると見るや高い位置からフェイントの効いたロブで煽り、チャンスには球足の短い決定力のあるスマッシュを打ち込む。 第1ゲームを6点、第2ゲームはややミスが出たものの、銭谷選手の反撃を11点に抑えてほぼ完勝と言ってよい戦いぶり。日本ユニシスの開幕戦勝利をしっかりとつかみとった。
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チームの祝福を受ける山田和司 |
・ 第2複 アルベン ユリアント チャンドラ・小宮山 元 2 - 0 長原克博・中尾祐介 第2ダブルスにはインドネシアから新規加入のアルベン・ユリアント・チャンドラ選手が国内戦に初お目見え。言葉の問題こそあれ、持ち前の明るさですでにチームにもよく馴染んでいる。2004年には世界ランク1位を獲得した新戦力が組むのは、普段から非常に仲の良い小宮山元選手。相手は昨期3勝を挙げチームのAクラス入りに貢献した長原・中尾組だ。
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アルベンのデビュー戦は小宮山元とのペア |
雄叫びを上げながら打ち込む小宮山選手のスマッシュは、派手な応援で盛り上がる日本リーグを一層沸き上がらせる。コントラストを成すかのように、一方のアルベン選手はコート内でのリラックスした姿が印象的。しかしチャンスと見るや豹のようなしなやかな動きでシャトルを捕捉し、世界トップランカーの実力を垣間見せる。途中には二人のコンビネーションが合わずに苦笑いの場面も見られるが、サービス周りの巧みなショットから始まる展開でゲームを確実にコントロール。第1ゲームは序盤の10連続得点などで21-15。 第2ゲームも流れを離すことなく、最後はアルベン選手の正確なロングサービスでシャトルを上げさせたところに、小宮山選手がこの試合最後の咆哮を込めたスマッシュを打ち込み21-13。アルベン選手の国内デビューを飾ると同時に、日本リーグ2009の開幕戦を文句なしの3-0で制する勝利で北九州大会初日を締めくくった。
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開幕戦を3-0の快勝で締めくくった |
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