【12月29日 : 第7戦 vs トナミ運輸 】 ・スコア ・勝敗表
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今季の最終戦の相手は、ユニシスと同じくNTT東日本に土をつけられたトナミ運輸。NTT東日本の優勝はほぼ決定的のため、2・3位決定戦と見られている。 注目のオーダーはユニシスは前日同様で、王偉・廣部好輝組、早坂幸平選手のシングルス、そして仲尾修一・坂本修一組。 一方のトナミはシドニー五輪・金メダリストのチャンドラと平田選手のペア、内定登録の古財選手(日体大)、そして北京を目指している舛田・大束組と万全のオーダーだ。
・ 第1複 対戦相手の一人は金メダリスト。厳しい試合になることは予想されていた。 2度目の対戦となる王偉選手は、全日本実業団で試合途中にアクシデントがあり、満足な状態でプレーできずに試合を終えており、あの時の悔しい思いをリベンジすべくコートに入る。 初めて挑む廣部選手は、チームメイトから「気負わず、思いっきり向かっていこう!」と励まされ、出て行った。
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廣部好輝 |
王 偉 |
リベンジと挑戦。それぞれ強い気持ちを持ったユニシスペア。 序盤から終始トナミぺアがリードを奪うが、最後の最後までシャトルを追い、必死に付いていく。
ユニシスペアもミスをせず、レシーブから粘って好機を見出すという二人のいい時のプレーが出ており、18-20と追いすがる。 しかし、最後は平田選手のドライブサーブが決まり、あと一歩のところで第1ゲームを失ってしまう。
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好プレーも出るが第1ゲームを失う王 偉・廣部組 |
第2ゲーム、なんとか一矢報いようと奮起するユニシスペア。 しかし、相手は第1ゲーム先取で落ち着いており、なかなか崩せない。 次第に点差が広がり、万事休す。 自力に勝る相手ペアには及ばず、14点で失い、敗北を喫した。
・ 単 前日に続き、ユニシスはシングルスに早坂選手を起用。相手は内定登録の古財選手。 二人は1ヶ月前の全日本総合1回戦で対戦し、その時はファイナルの僅差で早坂選手が勝利している。
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早坂幸平 |
一撃攻撃型の早坂選手と、ラリーから攻撃を仕掛ける古財選手との戦いは、序盤は早坂選手がプレッシャーからか前日に見せた勢いが消え、いきなりのビハインド。 しかし徐々に緊張が抜け、本来のプレーを取り戻すと接戦へと持ち込み、最後は19点で逆転勝利する。
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21-19で第1ゲームを逆転勝利 |
気を良くした早坂選手はキレのあるショットを武器に波に乗って畳掛ける。 しかし、中盤に差し掛かるあたりから、突然の失速。古財選手のラリーについていけなくなってしまい、ミスも多発し、16点で奪われてしまう。
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1-1となり勝負はファイナルへ |
緊張でスタミナを消耗したのか、ファイナルに入っても回復の兆しが見えない早坂選手。 序盤から大量のリードを奪われ、早坂選手の表情からも苦しさが伝わってくる。
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早坂選手を見守るチームメイト |
必死に応戦しようと踏ん張るが、序盤の大量失点が響き、14点で無念の逆転負けを喫してしまい、同時にチームの3位も確定してしまう。
・ 第2複 チームの勝敗は決まってしまったが、今季で引退を宣言している仲尾選手にとっては現役最後の試合が残っている。パートナーは大学1年生でペアを結成し、2005年全日本総合優勝まで、ともに喜び・悲しみ・苦しみを味わってきた坂本選手だ。
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坂本修一 |
仲尾修一 |
対戦相手はかつて共に日本代表として切磋琢磨しあってきた戦友、舛田・大束組。 試合での通算成績は「仲尾・坂本組の1勝8敗くらいだったかな?」と仲尾選手。 分は悪いようだが、引退試合と考えれば最高の対戦相手だろう。
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仲尾選手のラストゲームがスタート |
序盤から相手ペアのプレッシャーのかかるプレーでユニシスペアはミスを連発してしまう。 甘いサーブでも決めきれず、逆に焦りを感じ、さらにミスをしてしまうという悪循環。 圧倒的なトナミペースで第1ゲームをわずか8点で失う。
第2ゲームは、第1ゲームの悪い流れを断ち切るため、常に攻勢にラリーを展開し、相手に主導権を渡さないプレーを心掛ける仲尾・坂本組。 序盤はそれに動揺したのか、トナミペアにミスが見られるようになってきた。 しかし、中盤からは仲尾・坂本というユニシスのスマッシャ−のスマッシュをことごとく返球し、流れを完全には持っていかせない。
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仲尾修一 |
坂本修一 |
仲尾・坂本組が常にリードしながら試合は進み、19-17で2点リードの場面。ユニシスペアのローテーションミスを見逃さなかったトナミぺアが一気に追いつく。
ユニシスペアもここが踏ん張りどころと渾身のジャンピングスマッシュを打ち込むが、一歩も引かないトナミペア。最後は上手く交わされ、攻守が変わり、その時点で負けは決まってしまった。 結局、終盤に1点も取れなく、19点で敗戦。負けは悔しいが相手はさすがである。 チームとしても、トナミに0-3の完敗という形になってしまった。
これで昨年の福井前キャプテンに続き、ダブルス4本柱の1人、仲尾キャプテンがコートを去る。 仲尾選手は、これまで個人戦では社会人でのタイトルを総ナメ。団体戦ではチームの主力としてチームの初優勝、連覇に貢献し、まさしくユニシスの歴史に名を刻んだ名選手。 2008シーズンは女子チームのスパーリングコーチとして部に在籍する予定なので、指導者としての仲尾選手の働きにも注目したい。 本当にお疲れ様でした。
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引退セレモニーでの仲尾選手 |
仲尾選手という大きな存在はいなくなってしまったが、2008年のチームの目標は、もちろん王座奪回!テーマはリベンジ!!! また、今年はオリンピックイヤー。坂本・池田組が五輪出場権を獲得し、北京での活躍を祈りたい。 2008年の終わりには、チーム全員笑顔で締めくくれるよう、再びスタートです!
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敢闘選手賞を受賞した王偉選手(右)と廣部好輝選手 |
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【12月28日 : 第6戦 vs 日立情報通信エンジニアリング 】 ・スコア ・勝敗表
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自力での優勝がなくなった松江の大会から1週間後、いよいよバドミントン日本リーグ2007も最後の開催場所、東京都渋谷区の代々木第二体育館へと移った。 今回は単複のエース、池田兄弟のコンディションが良くないため、ベストな布陣で臨むことができないまま第6戦、最終戦と臨むことになった。 第6戦の対戦相手は日立情報通信エンジニアリング。今季はまだ0勝と波に乗れていないようである。
・ 第1複 第1複はユニシスが王偉・廣部好輝組。対する日立は不動のエースダブルス山下・舘田組が相手だ。 序盤は廣部選手が緊張しているようでやや淡白な配球になり、王偉選手がカバーするといった感じ。一方、山下・舘田組は素早いローテーションで攻めてくるが、フィニッシュまでなかなかもっていけず、こちらも今一つといった出だし。 ポイントは取られ、取りつつとシーソーゲームで進んでいく。
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東京大会のトップバッターは王偉・廣部好輝組 |
しかし、中盤からは廣部選手得意のボディ回りのレシーブから攻勢に回るというパターンが多くなり、ポイントを取るリズムが良くなり、あっという間に点差を広げる。
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王 偉 |
廣部好輝 |
ここからは、王偉・廣部組の独壇場。 甘い球になっても鉄壁のレシーブではじき返し、また攻めている時は確実に決め、全てが上手く噛み合い、要所を締め、11・12点で完勝した。
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王 偉 |
廣部好輝 |
・ 単 続くシングルス。 ユニシスからは今季既にダブルスで2勝している早坂幸平選手がシングルスで登場。相手は、銭谷選手に代わってシングルスを任されることが多くなった長原選手だ。
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早坂幸平 |
早坂選手は、豊富な運動量から繰り出されるキレのあるスマッシュを得意とする選手。 実力は誰もが認めるところだが、個人戦などでなかなか結果を出すことができずにいた。しかし、今年ようやく全日本総合でベスト8と結果を残し、チームの信頼もさらに増した。 今回はチームのシングルス代表ということもあり、試合前は口数が減り周りを心配させたが、試合が始まるとリーグ戦の雰囲気に呑み込まれず、逆にプレッシャーを力に変えるプレーを展開していく。
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アグレッシブなプレーを展開する早坂幸平 |
もう序盤からエンジン全開。得意のキレのあるスマッシュは火を噴き、長原選手は成す術がなく、ノータッチでどんどん決まっていく。 ラリーをしても、クリアで押し、ヘアピンも高さ、スピンで上まり、第1複同様、十分過ぎるリードを保ち、8・9点でしっかりと勝利を収めた。
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21-8、21-9で快勝 |
・ 第2複 チームの勝利は確定したが、続く第2ダブルスにはもう団体戦のお馴染みとなった仲尾修一・坂本修一組が登場。相手は2006年にも対戦し、勝利はしたもののファイナルまでもつれたダブルスが上手い中山選手と内定登録のある日大の中尾選手が組んでの対戦だ。
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坂本修一・仲尾修一 |
第1ゲームの序盤はお互いつなぎのミスをしてしまう場面が多く見られ、調子はあまり良くなさそうである。お互い調子の出ないまま一進一退の攻防が続き、先にチャンスを掴んだのは日立ペア。終盤で2点のリードを奪う。しかし、これに動揺しない強い気持ちが持ち味のユニシスペア。ミスを恐れず、逆にさらに攻撃をしかけるようになり、その勢いに相手ペアは呑まれ、19点でものにした。
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仲尾修一 |
坂本修一 |
第2ゲーム は、序盤からユニシスペアの連続攻撃が冴え、リズムを掴んだ。もう手に負えなくなった仲尾選手は次々と持ち前の判断力とトリッキーなプレーで相手を翻弄し、とどめは坂本選手の速射砲でフィニッシュという理想な試合展開を組み立て、11点でしっかり締めた。
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仲尾修一 |
坂本修一 |
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【12月23日 : 第5戦 vs NTT東日本 】 ・スコア ・勝敗表
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今季リーグ戦の最大の山場が島根県松江市で行われた。対戦カードは、日本ユニシス対NTT東日本。 NTT東日本はこの試合に勝利すれば既に強豪トナミ運輸を撃破しているため、限りなく優勝に近づく。 日本ユニシスはここで勝って最終戦のトナミ運輸まで全勝を守り抜き、最後まで望みをつなぎたいところ。 注目のオーダーは、ユニシスは坂本修一・池田信太郎組、池田雄一選手、王偉・仲尾修一組。 対する東日本は、松本・田児組、佐藤選手、川口・川前組というカード。 東日本はシングルスに佐藤選手で確実にポイントを取りに、そして第2ダブルスで今年の全日本王者川口・川前組で勝負を決めるといったオーダー。 一方、ユニシスは東日本とは逆にまず第1ダブルスに世界選手権3位の坂本・池田(信)をたて、確実にポイントを取って、後のシングルス、ダブルスのどちらかを取るといったオーダーのようだ。 しかし、この一般的な見解はすぐに崩壊することになる…
・ 第1複 今季2度目の登場となった世界3位の坂本修一・池田信太郎組。2週間前にはロシアの大会で準優勝と好成績を残し、北京オリンピックに向けて視界良好となり、気分良く試合に臨めたはずだ。 対するのは、NTT東日本を引っ張るキャプテン松本選手と世界ジュニアシングルスで2位という快挙を成し遂げたスーパー高校生・田児選手(内定選手)というペア。
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トップダブルスは坂本修一・池田信太郎組 |
第1ゲームは序盤から田児選手のセンス溢れるプレーに、特に前衛でつかまり、坂本・池田組は連続ポイントを許し、いきなり1-8と大きくリードされてしまう。懸命に追いすがるも相手には勢いがあり、こちらは常に劣勢な状態。普段はクレバーにゲームをコントロールする池田選手も鉄壁であるはずのレシーブが簡単に崩されて余裕がなく、相手の勢いに呑まれたという感じで14点で失ってしまう。
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坂本・池田組を必死に鼓舞し続けるユニシスベンチ |
第2ゲームは、しっかり気持ちの切り換えができ、影を潜めていた本来のコンビネーションプレーが徐々に出るようになってくる。しかし、相手もそう簡単には勝たせないと田児選手の器用なプレーに加え、松本選手が強打の連続で流れをなかなか掴むことができない。 試合はお互いの長所が出てきて、シーソーゲームで進んでいく。しかし、後半から坂本・池田組は負けられないという緊張からか次第に硬さが出始めると、東日本ペアはここぞとばかりに畳み掛けてくる。マッチポイントを先に取られ、万事休すかと思われたが、相手が決め急ぎ、コンビネーションに乱れが生じた隙を坂本選手が見逃さず、すばやい判断で前に詰め、逆転勝利で1-1のタイとする。
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坂本修一 |
池田信太郎 |
これで波に乗れるはずのファイナルゲーム。いきなり坂本・池田組がつなぎのミスからリズムが崩れ、第1ゲーム同様大きくリードを奪われてしまう。坂本・池田組は必死に声を出し、自分を奮い立たせようとするが、気持ちとプレーが上手く噛み合わない。それに対して松本・田児組は格上の相手に臆することなく向かってくる。前半は11-4と大きくリードを奪われて折り返す。 後半になっても本来の坂本・池田組の世界のプレーは見られず、力を出し切れないまま松本・田児組にまさかの土をつけられた。
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坂本・池田組は本来の力を出し切れぬまま敗戦 |
・ 単 坂本・池田組のまさかの敗戦でユニシスベンチはショックを隠し切れない。 もう後がなくなった非常にプレッシャーのかかる中、池田雄一選手が登場する。 相手は11月の全日本総合・準々決勝でファイナルの末に敗れた高校時代の偉大な先輩、佐藤選手との対戦だ。
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池田雄一 |
序盤は第1ダブルスの流れそのままに東日本ペースで試合が進み、雄一選手も緊張からか、足があまり動かない。佐藤選手は落ち着いた試合運びで雄一選手を苦しめると、我慢できなくなった雄一選手が決め急いでミスをしてしまう場面が多く見られ、第1ゲームを12点で奪われる。 第2ゲームは、序盤からラリーの多い展開になり、雄一選手はこれで負けたら終わりだと自分に言い聞かせるように、佐藤選手のラリーにミスをせず、必死に粘る。その気迫に押されたのか先に佐藤選手がミスをすることが多くなってくる。中盤からは自らを鼓舞するかのように拳を高々と突き上げ、リードし始める。 戦前から雄一選手は「実業団は自分が弱い為に負けてチームに貢献できなかった。今後はチームに貢献したい」と言っていた。その団体戦で負けたくないという強い気持ちがプレーに表れ、このゲームを13点で奪い返す。
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第2ゲームを21-13で奪い返す雄一選手 |
そして運命のファイナルゲーム。 佐藤選手は全日本総合4連覇の貫禄を見せ、気持ちの切り換えも早く修正してきた。対する雄一選手は第2ゲーム同様必死に攻めて粘ろうとするが、これまで蓄積してきた疲労に加え佐藤選手の切れのあるショットと四隅にきっちり回す配球に苦しめられる。 徐々に点差が広がり出すと雄一選手も最後には我慢できず、決め急いでカウンターをもらい、ゲームセット。
雄一選手も頑張ったが、実力が一枚上の佐藤選手に軍配が上がり、無念の敗戦。この時点でユニシスの敗戦が決まると同時に今季リーグの自力優勝消滅が確定的となった。 しかし、雄一選手の気迫溢れたプレーに、コーチ兼選手の王偉選手とキャプテン仲尾選手にその闘志はしっかりと伝わっていた。 ・ 第2複
団体戦の勝敗は決まってしまったが、NTT東日本の完全勝利を阻むべくコートには王偉・仲尾修一組が立つ。対する完全勝利を狙う東日本は今年の全日本王者川口・川前組。 普段の練習から組んでいない王偉・仲尾の二人がペアを組むのには、チームから不安の声もあった。しかし中條監督は二人の個人能力に賭け、このペアでの起用を決意。 一般的に見れば川口・川前組が勝つと予想されるが、実は仲尾選手は川口・川前組のキラー的存在で、坂本選手と組んでは全勝、11月の全日本総合・準々決勝では廣部選手と組み勝利まであと一歩と追い詰めていた。
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王偉・仲尾修一組 |
川口・川前組に自信をのぞかせるユニシスペアか。それとも全日本王者の意地か。試合は1、2ゲーム共にシーソーゲームで差がつかない。 東日本ペアはしっかりとしたトップアンドバックの型にもっていき、川口選手の素晴らしい前衛と川前選手のバネのある強烈なジャンプスマッシュでポイントを重ねる。 ユニシスペアは、仲尾選手はスピードがあり、相手をかく乱させるためトリッキーにコートを駆け回り、王偉選手もどちらかと言えば、フェイントの利いた配球をするため、相手ペアは自分たちの型に持っていけずやりづらそうに見える。 一進一退の攻防が続くが、仲尾選手の鋭い読みの速さから、終盤共に連続ポイントを重ね、最後は仲尾選手の渾身のジャンプスマッシュが決まり、18点、16点で見事王者を跳ね除け、NTT東日本に一矢を報いた。
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王偉 |
仲尾修一 |
チームは負けてしまったが、勝負は時の運とも言う。今季はまだ終わったわけではなく、最終戦にはトナミ運輸との対戦もある。 来年は王座奪回という新たな目標ができたので、そのためにも残り2戦、悔いのない試合をして来年につなげたい。
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【12月16日 : 第4戦 vs 東海興業 】 ・スコア ・勝敗表
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第4戦の対戦相手は、2部から昇格してきた東海興業。今季は昨年4位の大阪トリッキーパンダースを3-0で撃破し、決して侮れないチーム。 しかし、今回の会場は埼玉ということもあり、会社の方々も多く来て下さり、選手にとってはたいへん励みになった大会となりました。
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日本ユニシス応援団長・有園さん |
選手たち |
・ 第1複 今回もトップダブルスには王偉・廣部組が登場。対する相手は長身ペアの高原・大滝組。 二人とも角度のあるスマッシュが武器だが、予測のできないショットが接戦に出てきてしまうと流れが悪くなるため、あわやということも考えられる。ここは前半から一気にリードしておきたいところ。
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さいたま大会もトップダブルスは王偉・廣部好輝組 |
試合開始早々に恐れていたスーパーショットを東海興業ペアが繰り出す。 序盤は廣部選手の顔にも緊張の色が伺え、本来の動きが影を潜め、点差を広げることはできない。 しかし、5オールくらいから王選手の球さばきで相手を翻弄し、ようやく廣部選手も流れに乗り、一気に点差を広げて先に11点目を奪う。中盤から後半にかけて相手のスマッシュに苦しめられるが、前半のリードが効き、このゲーム16点で奪った。
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リードし11点で折り返す王偉・廣部組 |
斎藤元伸・坂本修一 |
第2ゲーム、ここからはチームの実力を見せつける。 序盤は相手のスーパーショットに苦しめられる場面もあったが、王偉選手はドロップ、フェイントの利いたロビングなどで相手を翻弄し、廣部選手は相手の球を読みきって決める機会が多くなり、2ゲーム目は10点で勝利し、今回も第1ダブルスの役割をきっちりと果たした。
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王偉・廣部組の活躍に笑顔がもれる日本ユニシスベンチ |
・ 単 今回は休養十分の雄一選手がリーグ3回目の登場。相手は雄一選手と同期の有田選手。 試合の展開は有田選手の得意なラリーになるのか、それとも雄一選手のスピードでそのラリーを断ち切るのかというのが一般的な見解。
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リーグ3回目の登場・池田雄一 |
試合開始早々、やはり有田選手は丁寧にシャトルをコントロールし、雄一選手を四隅に走らせ、ミスを誘ってくる。しかし、この日の雄一選手はなかなかミスをおかさない。逆に有田選手は雄一選手のスピードの前に次第についていけなくなってくる。どんどん点差が離れ、応援の方も息が続かなくなるほど。そのくらい雄一選手は完璧な試合運びで相手を圧倒した。 第2ゲームに入ってもその勢いは止まらず、終始スピードで押し切った雄一選手が見事11点、9点とダブルスコアで勝利した。
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雄一選手の勝利を祝うユニシスベンチ |
・ 第2複
第2ダブルスを任されたのは前節のYKK戦で見事チームの勝利に貢献した早坂幸平選手と、今や日本の顔にまで成長した池田信太郎選手というペア。 一見変わったペアに見えるが、実はこの二人は筑波大学時代のパートナー。5年前のインカレでは準優勝もしており、お互いのプレーも知り尽くしている。それに対するのは、ベテラン馬場選手と器用な宮本選手のペア。
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第2ダブルスに登場の池田信太郎(右)・早坂幸平組。 二人は筑波大学時代のパートナー |
試合はこれまでの勢いそのままにユニシスペアが主導権を握り、試合を展開していく。 池田選手は早坂選手の強打を導き、早坂選手はその期待に応える。レシーブもしっかり左右に大きく返球し、見ている側からすればもう安心の一言。終始、大学時代の懐かしさを感じながら楽しむかのようにプレーしているかのよう。 ただ、応援している側は大変。応援団長、有園さんも連続ポイントが多かったにも関わらず、大きな声で独特の応援をし続け力を与えてくれました。 池田・早坂組は9点、12点のこちらもダブルスコアで相手を圧倒し、完全勝利でさいたま大会を締めくくった。
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池田信太郎 |
早坂幸平 |
次は、いよいよ山場のNTT東日本戦。NTT東日本はトナミ運輸に勝利しているため、ここで日本ユニシスが負けてしまうと優勝はNTT東日本に限りなく近づいてしまう。ここは必ず勝利して、最終戦まで望みをつなげたい。 実力は拮抗。その日の選手のコンディションや、対戦相手との相性なども考慮しなくてはならないため、オーダーも非常に重要。昨季、全日本実業団・日本リーグを完全制覇に導いた中條監督の采配にも注目したい。 頑張れ、ユニシス!!
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【12月9日 : 第3戦 vs くまもと八代YKK-AP 】 ・スコア ・勝敗表
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第2戦以降、全日本総合もありしばらく間があいたが、再び日本ユニシスはV3達成に向けての挑戦が始まる。 今回も日本代表の坂本・池田の2選手はロシアの国際大会に出場するため欠場し、残りのメンバーで戦うことになった。 12月9日(日)、第3戦の相手はくまもとYKK-AP。試合会場が熊本県で相手チームのホームゲームということもあり、完全アウェーの雰囲気の中、試合が始まった。
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日本ユニシスチーム |
・ 第1複 こちらはもう組み慣れてきて、安心して見ていられるように感じる王偉・廣部好輝組。 相手はこれまでリーグ戦48勝を積み上げてきたベテラン花田選手と、大型で当たると怖い小林選手のペアとの対戦。 この試合、安定感のある王偉、廣部、そして花田選手が崩れることはあまり考えられず、小林選手の出来で流れが左右するであろうと考えられ、それがユニシスにとって吉とでるか凶とでるかは試合前は見当がつかなかった。
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序盤からリードを広げる王偉・廣部組 |
試合は序盤からユニシスペアがリードを広げる。 この日の小林選手はユニシスペアの配球に我慢できずミスを重ねてくれ、また花田選手もなかなかリズムに乗れないようで、主導権は完全にユニシスのもの。 王偉選手の巧みな配球術でミスを誘い、廣部選手のチェンジアップスマッシュで翻弄し、一度も流れを相手に持っていかせず21−14、21−13でトップダブルスの役割を完璧に果たし、シングルスに繋げた。
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王 偉 |
廣部好輝 |
・ 単 シングルスには、今季初登場となる昨季MVPの中西洋介選手が登場。 相手は高校3年生のトップクラスにいる内定選手・園田選手との対戦となった。 この二人は、3週間前に行われた全日本総合でも顔を合わせ、その時は中西選手がファイナルで苦しめられながらも、勝利を収めている。しかし、昨季MVPの立場からすると、今回はしっかり勝って相手に格の違いを見せつけたいところだ。 試合は序盤からラリーが続き、我慢比べの展開。中西選手は、時々決め急いでミスをするものの、連続ミスはしない。一方の園田選手も、気迫のこもったプレーで観客を魅了させる。 第1ゲームは点差が全く離れず終盤に入ったが、中西選手のフェイントの利いたロビング(通称ゼット)がノータッチで決まり、そこから流れを引き寄せると15オールから先に抜け出し、17点でものにする。
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今季初登場の中西洋介 |
第2ゲーム、後がない園田選手はさらに気合を入れてアグレッシブに攻めてくる。これに動揺したのか、中西選手は簡単なつなぎのミスをしてしまう。園田選手は勢いそのままに中西選手をたたみかけ、先に11点目を奪う。 最大5点差まで広げられたが、中西選手もここからベテランの味を存分に見せつける。終盤、徐々に追いついてきてついに2点差までになり、射程圏内に入った。 しかし、そこから園田選手の粘りから生まれたスーパーショットが連続で決まり、中西選手は成す術がなく18点で奪われてしまう。
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試合はファイナルへ |
スーパープレーを連発した園田選手は観客を味方につけ、完全に流れに乗ってしまった。 ファイナルゲームは序盤から常に2、3点園田選手がリードを保ち、中西選手を寄せつけない。中西選手は充分な態勢ではないのに決め急ぎ先にミスをしてしまっているように見える。 中盤にも園田選手の驚異的な粘りから生まれるスーパーショットが炸裂し、これまで懸命に応援し続けてきたベンチにもダメージを与えられた。 結局、最後まで流れを変えることのできないまま、中西選手は16点で無念のリベンジを許してしまうこととなった。 ・ 第2複
第2複には、これまで“1勝1敗でまわってきたら無敗!”と、自ら勝負強いと自負するキャプテン仲尾修一選手と今年の全日本総合で男子シングルス・ベスト8に入った早坂幸平選手という非常に珍しい組み合わせ。 対戦相手は大方の予想通りリーグ戦通算35勝のベテラン田上選手と、トリッキーなプレーが持ち味の宮崎選手。 園田選手の気迫あふれるプレーで会場が盛り上がり、ユニシスとしては非常に悪い雰囲気の中、試合が始まった。
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第2複は仲尾・早坂組という初のペア |
第1ゲームの序盤、ユニシスペアの足はあまり動いていなかったが、相手のミスにも助けられ先に11点を奪う。 しかし、そこからは“ディフェンスから攻撃”というパターンを見抜かれたようでなかなか攻撃の形にさせてもらえない。加えてネットイン、宮崎選手のトリッキーなプレーにはまってしまい、18点でまさかの逆転負けを喫してしまう。
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早坂幸平 |
後がないユニシスペアはサーブからの3球目を上げていたのを、ドライブして先に攻撃をしかけ相手が攻撃する前にラリーを切る、という作戦に変更する。 それが良かったのかはわからないが、流れはユニシスへと傾き、序盤から大きくリードを広げ余裕を持った試合展開で、第2・第3ゲームともに15点で勝利。 特に早坂選手は、これまでダブルスでの出場機会がなかったのにも関わらず、プレッシャーの中でしっかりチームに貢献してくれた。これは早坂選手本人にとっても大きな自信となったはず。また、キャプテン仲尾選手も上手く早坂選手をコントロールし、試合を作ったのはさすがである。
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ファイナルゲームで勝利を決めた仲尾・早坂組 |
今回、1つゲームを失ったため、(NTT東日本、トナミ運輸と)三つ巴になった場合は分が悪くなってしまったが、優勝する可能性は消えてはいない。 狙うは全勝優勝。そのためにも第4戦の東海興業戦は1ゲームたりとも取りこぼすことなく勢いをつけ、山場のNTT東日本戦に臨みたい。
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博多から駆けつけてくれた日本ユニシスグループ九州地区応援団とともに |
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【10月21日 : 第2戦 vs 大阪トリッキーパンダース 】 ・スコア ・勝敗表
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第2戦の相手チームは、大阪トリッキーパンダース。昨年4位と好成績を残し、勢いがあるだけに昨日のJR北海道同様、決して侮れないチームだ。
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第1複 王偉・廣部組の登場を見守る日本ユニシスベンチ |
・ 第1複 昨日、第2ダブルスで強さを見せつけた王偉・廣部好輝組が登場。 対するトリッキーパンダースは、大ベテランペア、監督兼選手の平井選手とサウスポーの松井選手。 松井選手のドライブサーブ(ピンサーブ)を王偉選手が見切ってカウンターを決めるラリーから試合が始まった。 序盤は攻守がはっきりと分かれる大きな展開でのラリー。こういう展開でのベテランは、手強い。 相手ペアはどちらも動くスピードはないが、パワーはある。そういう相手の得意な展開になってしまい、なかなかユニシスペアは試合を支配できない。 しかし、7-5を過ぎたところである1球が流れを作った。廣部選手の何でもないロビングに平井選手の巨体が膝から崩れ落ちる。速い展開が効果があると読んだユニシスペアはこのラリーをきっかけに速いテンポに切り換え、徐々に点差を広げていき、まずは14点で1ゲーム目を奪う。
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速いテンポで得点を重ねていく王偉(右)・廣部組 |
第2ゲームは、最初からユニシスペアが主導権を握る。相手ペアもロングサーブ、ドライブサーブなどで1球目から崩そうと奇襲戦法をしかけてくるが、既にそれが頭にあるユニシスペアには効かない。それでも中盤以降は一矢報いようと力強いスマッシュの連打で点差を縮めてくる。 しかし、要所で廣部選手がしっかり前衛で球を沈め、逆にカウンターを決めるなどで流れを相手に持っていかせない。そしてセフティーリードのまま試合終了。 二人は二日間に渡って、安定した力でしっかり自分達の役割を果たした。
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チームメイトの祝福を受ける廣部選手 |
・ 単 昨日の第1戦でレベルの高いパフォーマンスを見せつけた池田雄一選手が再び登場。 対するは、大阪トリッキーパンダース唯一のシングルスプレーヤー古川選手。 雄一選手は、序盤から昨日の勢いそのままに速いスピードのフットワークに加え、切れのあるショットと文句のつけようがない状態。 これには身体能力の高い古川選手でもラリーについていけていない。スピードが速いがゆえに、自身もミスが出ることもあり諸刃の剣という感じだが、それが雄一選手のプレースタイル。自分のプレースタイルを貫き、13点で1ゲーム目を奪う。
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第1戦に続き高いパフォーマンスを見せる池田雄一選手 |
第2も序盤からどんどんポイントを重ねていく。 ところが中盤に差し掛かろうとした時に、雄一選手の華麗なプレーの前に影を潜めていた古川選手のスーパーショットがコートに突き刺さりだす。これに焦った雄一選手は腰を引いてしまい、大量連続ポイントを許し、逆転されてしまう。
しかし、ここで逆に冷静になれた雄一選手は、お返しとばかりに連続ポイントで古川選手を追い詰め14点でゲームを奪い、2-0で勝利。 1・2戦ともにプレッシャーのある中で見事、実力者を連破した雄一選手。さすが全日本社会人3連覇は伊達じゃないといったところだ。 ・ 第2複
開幕2連勝を決めた日本ユニシスチームだが、第2ダブルスも勝って塩竃大会を完全勝利で締めくくりたい。 ここで登場したのは、キャプテン仲尾修一選手とリーグ戦初出場となる入社2年目の小宮山元選手。 対するのは、まだ来日していないインドネシア人の助っ人、怪我の桜井選手に代わりエースダブルスを務める川口・中村選手。
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第2複はリーグ初ペアとなる仲尾・小宮山組が登場 |
第1ゲーム、仲尾・小宮山組がスピードのある攻撃を見せ6-1と序盤からリードする。 途中、14-14と並ぶ場面があったものの、相手のミスにも助けられ確実に得点を重ねると、一度もリードをされることなく18点で先制する。
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小宮山選手の力強いジャンピングスマッシュ |
第2ゲームも序盤からリードを奪い、試合の主導権を握る。 しかし、中盤になると小宮山選手のサイドに集中攻撃を受け連続失点。これをきっかけに相手ペアに勢いが増し、遂に逆転されてしまう。 仲尾選手は相手の勢いを抑えるべくミスを恐れない思い切ったプレーで連続ポイントを奪う。すると、相手ペアの動揺も誘い、ミスを誘発させることに成功。最後は要所で小宮山選手の力強いスマッシュが決まり、19点でこの試合を締めくくった。 小宮山選手にとっては緊迫した試合展開で少々ほろ苦い日本リーグデビューだったかもしれないが、重要なのは結果。しっかり2-0で坂本・池田組の代役を果たせたことはたいへん大きい。また終始ゲームをリードした仲尾選手は、日本代表組がいない中でしっかりチームもまとめ、キャプテンシーを見せつけた。
リーグはここでいったん中断となり、12月9日熊本での第3戦より再開される。 開幕ダッシュを飾った日本ユニシスチーム。このままチーム一丸となって優勝に突き進んでいきたい。
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開幕2連勝で塩竃大会を締めくくった |
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【10月20日 : 第1戦 vs JR北海道 】 ・スコア ・勝敗表
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