2005年9月10日〜13日、岡山県 岡山市総合文化体育館において、第60回国民体育大会バドミントン競技会が開催されました。
国体はダブルス、シングルス、シングルスの3本中2本先取で勝敗が決まる団体戦です。 昨年に引き続き中條監督、山田選手、福井選手、中西選手の日本ユニシス勢で臨んだ埼玉県チームは 緒戦でランキングサーキット王者の佐々木翔選手が加入した秋田県を破ると、 続く準々決勝では大阪、準決勝では北海道と、日本リーグ選手主体の強敵を連破。見事に決勝戦へ駒を進めました。
【決勝戦】
13日早朝から行われた決勝戦、相手は反対側の山を順当に勝ち上がってきた富山県チーム。 全日本複チャンピオン舛田・大束(忠)組、全日本単2位の大束(真)選手の布陣で、ここまで全て2-0のストレート勝ち。 まずは福井・中西組対舛田・大束組のダブルスで幕が開く。
序盤はユニシスペアがうまく相手に上げさせて、強打を打ち込みポイントをリード。 破壊力のある福井選手のスマッシュと、中西選手の広い視野でのプレーがうまくかみ合う。 しかしネットにかけるミスが数本出たのを見逃さず、舛田・大束組が早いタッチでプレッシャーをかけ始める。 より高くより前でシャトルに触り、主導権を握ろうとする富山ペア。 福井・中西組も必死でレシーブするが、押し込まれてラインを割る場面が多くなっていく。 時おり高く上がってきたロブに対して、充分な体勢から打ち込むスマッシュは高い決定率を誇るのだが、 そこに至るまでのドライブ戦、ネットプレーに富山ペアの巧さが光る。 7-15で第1ゲームはまず富山ペアに。
1ゲーム目終盤の勢いを持続して、2ゲーム目に入っても攻撃の手を緩めない富山ペア。 福井・中西組も下がらずに反撃を試みるがなかなかポイントに結びつかない。 1年ぶりのコンビネーションゆえか、乱れが生じる場面も見られる。 最後は大束選手のフェイントの効いたプッシュが決まり4-15。富山県がまず1点目を先取した。
第1シングルスは山田選手と大束(真)選手の対戦。ここ2年の対戦成績は山田選手の4戦4勝と分のよい相手ではあるが 6月の実業団選手権ではファイナルゲームにもつれているように、侮ることはできない。 団体戦の勝利を自分の手で決めようと気合の入る大束選手。我慢してラリーをつなぎ、時には積極的に打ち込み序盤をリードする。 厳しいジャッジやレフェリングも影響したか、山田選手はなかなかペースに乗れず1-8と大量リードを許してしまう。
しかしここから反撃の狼煙を上げる山田選手。落ち着いて相手の攻撃を凌ぎきり、 苦しくなって上げてきたクリアーに対しても再びクリアーで応戦し、精神的にも追い込む。 より厳しいコースを突かざるを得ない大束選手が、ラリーの中で徐々にミスを重ねていくようになる。 こうしたボディブローとともに、機を見て山田選手得意のスマッシュ&ネットがきれいに決まるなどして見事に追いつき12-12。 “考えて1本取ろう”という富山サイドの応援に応え大束選手も踏みとどまるが、流れはすでに山田選手。 15-12で第1ゲームを奪う。
第2ゲームも山田選手が1点、また1点と積み重ねていく展開。 大束選手の渾身の打球もダイビングレシーブで拾い、ミスを誘っていく。 点差は次第に離れていき、15点目を手にした山田選手はガッツポーズ! 大束選手を6本に抑えて団体戦としての良い流れを作り、再び出番が訪れた中西選手に思いを託す。
勝負を決める第2シングルスは中西選手対舛田選手。 ダブルスの雪辱を果たしたい中西選手は、上がってきた打球を積極的に叩き3-0とリード。 それを受けて舛田選手は、守りの重点をネット前に置くようにして中西選手のヘアピンにプレッシャーをかける。
じりじりと互角の戦いが続く。舛田選手のレシーブエースで8-11と離されかけた場面、 中西選手は打球のスピード、打つタイミングに緩急をつけた素晴らしいラリーでサービス権を奪い返す。 一進一退の攻防は続き、先にゲームポイントを奪ったのは中西選手。 しかし舛田選手も大事にラリーを運び、14-14としてセティングに持ち込む。
もつれた第1ゲームを掴んだのは中西選手だった。16-14と再び迎えたゲームポイントで 舛田選手が不運にも足を滑らせ、意外な形で17点目が中西選手にもたらされ、優勝に王手をかける。
仕切りなおして第2ゲーム、中盤まではやはり互角の様相。 ここで元王者の貫禄を示す舛田選手は、鋭い読みと勘の利いたプレーで自慢の強打を打ち込み均衡を抜け出す。 9-15で舛田選手が奪い、団体戦の勝負は次のファイナルゲームの結果に託された。
ダブルスを富山、第1シングルスを埼玉と分け合い、第2シングルスが3ゲームにもつれるという展開は、実は昨年の埼玉国体と全く同じ。 ”嫌な予感はした”と福井選手も感じたように、ファイナルゲームは富山・舛田選手のヤマを張ったプレーが悉く的中し、 中西選手は強打やプッシュを見舞われ、1-8でチェンジエンドを迎える。
少年種目に出場した埼玉県選手や熱心なファンの声援を受け、中西選手はサービス権は取り返すものの ポイントをなかなか奪うことができない。 4-14とされ、最後は中西選手の放ったクリアーが無情にもエンドラインを割りゲームセット。 埼玉県チームは2年連続で準優勝という結果となった。
"結果が昨年と同じということは、やはり足りないものがある"と振り返った山田選手。 日本ユニシスが6月の実業団選手権でトナミ運輸に勝利した際も、舛田選手はシングルス・ダブルスともに負けなしだった。 とはいえ、この大きな壁を崩すための楔は、すでに日本ユニシス選手達の手中にあるはず。 10月末の全日本社会人選手権を経て11月に開幕する日本リーグ2005では、牙城を突き崩して初の優勝を勝ち取ってほしい! |
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